ロストメモリー「2」
名前:早見最斗
年齢:17歳
誕生日:7月4日
武器:ライフル・ハンドガン・?
性格:元気で明るい・意外とモテる
マイブーム:女子の水着
記憶収集率:43%
◇
少年は幸哉に向かって『君は死んだんだ』そう告げた。
わけもわからず幸哉はただ黙っていた。
「……死んだ?」
「そう。君は死んだんだ」
少年は微笑みながら、幸哉にそう言う。
しかし、幸哉には理解できなかった。
死んだ?
なら、ここにいる自分は何なのか。死んだ自覚がない。
そう感じるのは当然なのかもしれない。
死んだ後のことは誰も知らないのだから。
「信じてくれた?」
少年は幸哉にそう問う。
「……信じてくれた?と言われても、そう簡単に信じられないだろ普通」
信じるか信じないの問題の前に幸哉は死んだことを認めたくはなかった。
記憶を失って、わけもわからない状態で信じろと言う方が無理な話だ。
「まぁ、そうだよね。……仕方ない」
少年は少し考えた素振りを見せたあと右手前につきだした。
「顕現せよ……グラム」
その言葉が合図となり、何もない場所から黒い霧が少年の右手に集まる。
徐々に黒い霧は一本の剣に形創られていった。
完成した、黒く輝く剣を手に取り少年は幸哉を見た。
一瞬にして、危険を察知した幸哉は口を開く。
「ちょっと待て!!何する気だ!?」
「刺すんだよ」
満面の笑顔を見た瞬間、幸哉は鈍い痛みと同時に視界が真っ暗に染まった。
「ハッ!!!!」目が覚めると幸哉は勢いよく起き上がった。
身体を手で何度も触った。
少し落ち着いた後、幸哉は辺りを見回す。
そこは先程いた場所と同じ空間にいた。
「何が……起きた?」
「これで、信じてくれた?」
背後に突然現れた少年に驚き、幸哉の身体は大きくビクついた。
「お前は……さっきの。じゃあ、夢じゃない?……待てよ。俺、刺されたよな?」
「うん。刺したよ」
少年は、平然とそう言った。
その反応に幸哉は苦笑いしたが顔を横に振り、気を戻す。
「なんで俺は生きてるんだ?」
「だから、君は死んでるからさ。死んでる人間が刺されようが何されようが、死ぬわけないじゃん。死んでるんだから」
「……」
「信じてくれた?」
信じるしかない。
そう思った。
幸哉はコクりと頷いた。
「なぁ、ここはどこだ?お前は誰なんだ?」
「一つ一つ説明してあげるよ」
少年は立っていた位置から少し下がると指をパチンと鳴らした。
幸哉と少年の間に学校の形をしたホログラムが浮かび上がった。
「ようこそ!《死後の世界》、ロストワールドへ!!!!」
「《死後の世界》?」
「僕の名前はリア。この世界の住人であり、天使だ」
「……。バカなのか?」
「なんでだよ!!!!」
「どう見ても、天使には見えないぞ」
「まったく、白い羽がないと天使じゃないって言いたいの?」
「お前、美少女じゃないじゃん」
「どういう理屈だよ!」
「天使は美少女って決まってるんだ。俺の中で。だから、お前は天使じゃない」
「……。まぁいいや。とにかくだ」
リアはため息をつき、話を戻す。
「君たちは現実世界で生きていたとき、ある目的を果たす前に不運にも死んでしまった少年たちなのさ」
「目的?少年たち?」
わからない。
すぐにでも答えてはくれる。しかし幸哉は疑問に思ってしまった。
目的とはなにか?
少年たちとはどういう意味なのか?
少年は再び話始める。
「どんな目的なのかは、ぼくにはわからない。その目的は、君自信で思い出すしかない」
「思い出すってどうやって?」
「クリーチャーを倒すか、天使を倒せば、記憶を取り戻すことができる。逆にそれ以外で記憶を思い出すことはできない」
「クリーチャーって?」
リアは再び指を鳴らし、同時に立体のホログラムが浮かび、竜の形を作り出す。
「これがクリーチャー。《死後の世界》に存在する、生き物さ」
「これを……倒す?」
「まぁ、この他にもクリーチャーにはたくさんの種類がいてそのクリーチャーによって、それぞれ手に入れれるものは違う」
「どういう意味だ?」
「ゲームでよくあるだろ?モンスターを倒すとアイテムが手に入る。それと同じでこの世界もクリーチャーを倒せば生きるためのアイテムが手に入るんだ」
「なるほど……」
「まず、君たちがこの世界でしなければいけないことは、記憶を取り戻すこと。そして、鍵となる記憶を手に入れることで、君たちは死んだあの日をやり直すことができるんだ」
「鍵となる記憶って?」
「君は、生き返りたい?」
突然の質問だった。
何がいいたいのか、その質問の意図がわからない。
だが、生き返りたいかという質問に幸哉は戸惑った。
生き返りたい。そう思った。
しかし、なぜだろうか。
なぜ、俺は生き返りたいのだろうか。
そこで幸哉はリアの言いたいことを理解した。
その事を察したのかリアは口を開いた。
「生き返るためには、理由が必要なのさ。君がなぜ生き返る必要があるのか?なぜ生きたいと思うのか?《死後の世界》に来た人間は必ず生き返らなければいけない理由があるから、ここにたどり着く。ただ、生きたいからという理由だけじゃ、ここには来れない。《死後の世界》は君たちにチャンスを与える場所なんだから」
生き返える必要がある。
幸哉はなぜかわからないが、その言葉が強く印象に残った。
そこで幸哉はあることを思い出した。
「お前、俺を刺す前に記憶を奪ったのは自分だって言わなかったか?」
「うん。言ったよ」
「じゃあ、その記憶を返せばいいじゃないか。なんで生き返らせるためにこんな、回りくどいことする必要があるんだ?」
「記憶を奪ったと言うよりは持っていると言うのが正しいかな」
幸哉は首を傾げた。
「言っただろ?記憶を取り戻すにはクリーチャーを倒すか、天使を倒さないといけないって」
確かにリアはそう言った。
しかし、答えにはなっていない。
「君には言っておくよ。天使には創られた存在と、もともと存在する天使がいる。偽物と本物みたいな感じだ」
「何が言いたいんだ?」
「造り出された天使は君たちの記憶から造り出されている。そして、彼らは感情をもち本物になろうとする」
「本物になるって……」
「本物になるには、自分がもつ記憶の持ち主を人間を取り込む必要がある」
「取り込むって?」
「簡単に言えば殺すってこと。また、取り込まれた場合、人間は二度と復活できない。目的は達成できず、生き返らない。」
「なっ……」
「つまり、《死後の世界》は天使を生み出す場所でもあるってことさ。まぁ、君たちも生き返るために天使(偽物)を殺して記憶取り戻すんだから仕方ないさ」
「でも……」
「ちなみに、鍵となる記憶を天使が絶対に持っているわけじゃない。天使は《死後の世界》に10体もいないから」
「天使は記憶の持ち主を知っているのか?」
「知らない。だから、無作為に取り込むことはできない」
「間違った人間を取り込むとどうなる?」
「消滅する」
また、平然とリアはそう言った。
「まぁ天使と言われるだけあって、心は普通の人間よりも優しい。攻撃しない限り、反撃してこない」
「でも、記憶を取り戻すには天使も倒さないといけないんだろ」
「そう」
ここで、新たに疑問が浮かんだ。
創られた天使やクリーチャーが持つ記憶は、自分のものではないものも含まれているはずだ。
《死後の世界》には幸哉しかいないわけじゃない。
リアが言った少年たちとは幸哉の他にも同じ境遇の人間がいるということ。
つまり、その人の記憶を手に入れることもあるのではないか、幸哉はリアにその事について質問した。
リアは忘れていたという表情をつくり、質問に答えた。
「クリーチャーの場合、自分の記憶じゃないものは、別のアイテムに変換される」
「自分のものではない限り、記憶が他の人にわたることはないってことか」
「クリーチャー倒せば、運で自分の記憶が当たる、自分専用のくじ引きみたいな感じだよ」
「なら、天使の場合は?天使は人の記憶で作られていて、記憶の持ち主を取り込むんだから、アイテムに変換されることはないだろ」
「そうだね。天使の場合は、倒したと同時に記憶が持ち主に戻るようになっている。だから、記憶は他の人にわたることはないよ」
「そっか……」
だいたいの疑問は解けた。
幸哉が黙り込んでいると、リアは軽く微笑んだ。
「さて、そろそろ時間だ」
「時間?」
「君も頑張って、記憶を取り戻すんだよ?」
幸哉は軽く頷いた。
記憶を取り戻すためには、ここにずっといるわけにはいかない。
生き返るのかはわからない。
でも、試すかちはある。
「色々とありがとな。質問ばっかしてたから、話をした感じではなかったけど、助かった」
「君は苦労しそうだからね」
「えっ?」
リアは不適な笑みを見せた後、指をパチンと鳴らした。
幸哉が立っていた位置が崩れ落ちるように穴が空いた。
「頑張って~」
「ちょっ!今のどういう意味―」
幸哉はそのまま落下して言葉が途中でキレる。
最後に聞こえたのはリアの声だった。
『君は天使を倒せるかな?』
最後に謎の言葉を残し、リアの姿は見えなくなった。
そのまま幸哉は段々と意識を失った。
名前:リア
年齢:不明
誕生日:不明
武器:グラム(武器名)・?
性格:謎?
種族:天使
好きなもの:メロン