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プロローグ
……
心臓が抉られた様な感覚。
正気を失うくらい、腎症じゃない痛み。
足の膝を落として、体に突き刺さった刃物に手をかける。
しかし、手に力が入らない。
呼吸ができない。寒い。意識が遠退く。
突然起きた状況を理解できず、助けを求めることができない。
死ぬ。
そう思った。
なぜ、こうなった。
どうして……。
思考を巡らせるが、頭の中が真っ白になっていくだけ。
手は真っ赤に染まり、視界がボヤける。
意識はある。
ただ、今自分は倒れているのか、それとも、まだ、膝を落としているだけなのか、わからない。
今、何をしてるのか。
どうなっているのか、わからない。
完全に意識を失う寸前だった。最後に思ったことと言えば……
俺は……
その日、俺は死んだ。
すべてが終わり。
そして、始まったんだ。
この物語が……
初めての学園ファンタジー。
出来る限り頑張ります。