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〜ウシナッタモノ〜

作者: 無月藍

本当に選んでよかったの?

この選択・・・・。




間違ってなかったのかな?








涙は…こぼれ落ちて。













「直也?」

「あ、茉莉!?」


直也は笑った。



「ひ、久しぶり。」


「うん。」





大きい背中。

さらさらの髪。

はにかむ笑顔。


貴方は何も変わらないんだね。


「茉莉・・・・?」

「ん?なんでもないよ。そうだ、久しぶりに会ったんだから何処か行こうよ!用事ある?これから。」


「あ、ないよ。」









―三年前。











私・・・・、誰?



ある日突然起きたとき気づいた喪失感。

私は突然記憶を失ってしまったのだ。







私は、しばらく安静にということで、病院に入れられた。

私と、直也の事だけは全て忘れていたのに。



なぜか他のコトは全て覚えていた。

原因は不明だった。










「茉莉・・・・ちゃん。」

その人は、呼び捨てをためらってちゃんを付けた。

「僕のコト覚えてるかな?」



・・・・・・・・・。

顔も知らない。わかんないの。





「知らない。貴方誰?」

私は言い切った。

「僕は、桐 直也。君と同い年だよ?見覚えないかな?」

男の子は優しく聞いた。




「知らないって、言ったよ?」




・・・・。

「そっか・・・・。これ、花束。良かったら病室に飾ってね。じゃあ。」

男の子は一瞬はにかんで、さっと帰っていった。


帰り際は、一瞬悲しい顔をしてたような気がした。















僕は、泣いていた。全く声を上げず。

愛していた子に、


「知らない。貴方誰。」

と言われてしまったら。

貴方も泣くだろ?






「君は・・・僕の彼だなんて言えない・・・。」










「また来たの?」

私は直也君にそう聞いた。

「うん。」



「変なヒト。」

「え?」



「貴方変だよ。」

「天然とは言われるけど・・・?」

「意味が違うよ。」


私達は笑い声を上げる。








私は記憶を徐々に取り戻していった。

直也のコトを除いて。






「はぁ・・・。」

私は曲がり角を歩いて曲がった。はずだった。

突如前から来たヒトにぶつかった。


「い・・・って・・・。大丈夫君!?」

自分のずれたメガネを直しながら、お兄さんは言った。

2〜3歳年上だろうか。

「だ、大丈夫です。」


「そっか、良かった。じゃ。」


「あ、そうだ俺503号室の椎名 仁っていうんだ。」

「私は、祐希 茉莉といいます。308号室のものです。」




私たちの会話は・・・


弾んでゆくばかりだった。













「本当、毎日来るんだね。直也君。」

「うん。」

直也君は今日も私に会いに来た。



僕たち、また付き合ったり出来るのかな?

そう思っている直也が居たが、反対に

私達友達だよね。

と思っている茉莉が居た。











そして、退院した私は翌日から学校へ戻ることになった。





「茉莉〜。一緒に帰ろう!」

「う、分った〜。」






「お待たせ。直也。」

「良いよ。」









(椎名さん・・・・。会いたい・・・・。)












僕たちはこのままあのころに戻れる。

そう確信していたある日。


僕は茉莉から聞かされた。

「私好きな人がいるんだ〜。」


「へえ。誰?」

「私が通ってたあの病院にいた人だよ。椎名 仁さんって言うんだけど。」



―え?








彼女はぺらぺらと椎名とか言う奴の話を始めた。






―止めてくれ・・・・もうたくさんだ!



「やめろ!もうその話はするな!うざいんだよ!」

「っ・・!直也?」




「出てけ。この部屋から。俺から消えろ。」











その日から、茉莉は視線さえも反らすようになった。






「私達、縁切ろうか。」

突如茉莉は言った。


もちろん、断るはずもなかった。











そして、そのまま・・・三年が過ぎ今日に至る。



カチャカチャ。

食器とフォークが当たる音がする。


「美味しいね。」


「うん。」





「あのさ、直也。私全部思い出したの。」


・・・・・・・え・・・・・・?


「直也に誤りたかった・・・・。本当にごめん。仁とは別れたの。

本当は直也が大切だって思い出したから。」



「ごめん。彼女が居るから。」




僕は嘘をついた。


「そっか、私、都合よすぎだよね・・・。ごめんね。直也。私達縁切ったんだよね?」

「うん。」










「もう、疲れたんだ。茉莉の相手するの。」




フォークは、ただカシャンと床に落ちた。


好きをいえない、僕はただのオクビョウモノなんだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

初めまして。

無月藍と言います!


宜しくお願いします。

私には四つの偽名があります



「山もす」「菫」「優音 琉莉」そして「無月 藍」

知ってる方は話しかけてくださいね。

ただし、その名前のサイト名は言わないように・・・

お願いします



それから、

今回の物語

自分のブログよりとってまいりました。

少し加筆などを加えました。




感想待ってます。


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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませて頂きました。 突然視点が切り替わる所は、空白の部分で分からなくもなかったですが、今後気をつけられるとより一層感情移入しやすくなると思いますよ。 最初は淡々としているかな、と思い読み進…
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