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百年桜町奇譚  作者: 桜月黎
Class1『ドッペルゲンガー』
4/22

Sub 1( 双子 ) ~3~

ようやくSub1が終了。

もっと色々削ってスマートにすべきだったかしら。今さらだけど。

   ***



 全員の顔と名前の情報が行き渡ったところで、ここに来た本来の目的に私たちは舞い戻った。

 正直忘れかけていたが、今は昼休みであり、ここへは昼食のために来たのである。

 各々持参したものを広げ始める。なんとまぁ感心なことに、飲み物以外は皆手作りのお弁当だった。

 正確に言えば行方一は途中の自販機で買ってきたのだろう缶の紅茶以外何も持っていなかったわけだが、代わりに神無さんが二つの弁当箱を取り出した。先ほどから私の眼にはろくな姿を映していなかったけれど、なるほどそこは彼女持ちの面目躍如というところだろうか。……まだ白目を剥いてるけど。あ、何やら気付けされて飛び起きた。

 必死に現状の把握に勤しんでいる少年の姿から視線をずらすと聖園姉妹は柄も色も同じ包みを互いに交換していた。巾着状の入れ物から同時に取り出した弁当箱もやはり同じデザイン、さらに蓋を開けてみても全く同じだった……なんで交換したの?

 最後に隣へ目を向ける。

 いったいどんなものを取り出すのかと、ちょっとだけ不躾な期待を思考の片隅に芽吹かせたものの、識視さんが広げたお弁当は意外にも特に変わったところなどなく、とても普通だった。

 黒ゴマのかかった白いご飯にウィンナーや卵焼きやプチトマトなどと言った具合に随分と素朴な弁当だった。有名人=稼いでる→食事も豪華。なんていうのは私の勝手なイメージに過ぎないのだろうか。

 周囲の手元を一通り眺めたあとだと、独りコンビニメイツな菓子パンがお供の私としては少し居心地が良くない。

 とはいえ幸か不幸か、元々がアウェーな空間でこれ以上縮こまる余地もない。

 彼らが思い思いに食事を開始するのを横目に、私は全く気にしていない態度を貫いて五百ミリリットル紙パックジュースの口を少し開けてストローを差し込んだ。



 手の指で数えられる程度の人数で構成された小コミュニティは異物が紛れ込む事に敏感だ。

 排除しよう、なんて明確な拒絶意思などなくても互いに気を使ってしまって否応なく空気は悪くなる。

 私が巳祷さんに誘われたときに真っ先に危惧したのがそれだった。

 だが彼らはその当たりの機微をうまい事わきまえている人たちのようだ。

 最初こそ自発的に自己紹介をしてくれたものの、以降は私に無駄な気を使う事無く絶妙に存在をスルーしてくれている。

 人によっては無視されていると感じて憤るなり寂しさに気を揉むのかもしれないが、生憎と私はそこまで自意識というか役者精神と言うか、そういう『みられたい』みたいな感覚の手持ちが少ない。

 おかげで彼ら彼女らが咀嚼の合間にかわす世間話を、願掛けされる地蔵のように粛々と聞きに徹する栄誉に預かっていた。

 この面子ではいったいどんな会話がなされるのだろうかと少しだけゴシップ的な興味が湧き上がったのだけれど、なんてことはない、展開されるのは普通の学生らしい世間話ばかりだった。

 教師や授業への不満だとか、何処其処の店が良いだとか、友人がどうのこうのだとかである。


 ──そんな少々期待はずれな他愛ない話の中に、突如思いがけず、私が今抱えている最大懸案事項に関連する話題が持ち上がったのには、さすがに意表を突かれた。

 うっかりむせ返らずに済んだのは、ストローに口をつけるタイミングが少しズレていたというだけの危うい偶然の成果でしかない。

 態度には出さないよう気をつけつつ、聞く姿勢から聴く姿勢へ移行する。

 話題と言うのはもちろん──


「ドッペルゲンガー?」

「うん、ちょうどこっち来る前に聞いたんだけどね」


 架折さんの反問に答えるのは行方一だ。

 失神から復帰したばかりだというのに実に流暢にしゃべっている。

 大したタフネスだと感心すべきなのか、慣れという人の持つ未知の可能性に畏怖すべきなのか。

 私はとりあえず、あからさまに無視していると見えない程度に視線を向けつつ無反応を貫く。

 声こそ発しなかったものの架折さんと同じ角度に首を傾げているのが巳祷さんで、識視さんも興味深げに微笑している──のを確認するために一瞬視線を送ったらうっかり目があって微笑み返された。

 一人だけ、興味に類する感情を見せず不満げな顔をしているのは神無さんだ。

 その様子を見れば彼の情報源が女子なのだろうことが、この短い時間の付き合い(というよりは観察結果)ですら容易に想像がついた。

「ならあの女もうすぐ死ぬのね、可哀想に、いい気味だわ。でも残念ね……折角クラスメイトになったのに、自ら手を下す手間が省けるけど」

 そして神無さん、だしぬけに凄い言葉を吐き出した。物騒な上に意味するところが支離滅裂である、この人大丈夫なの? 何かこう、安全基準的な意味で。

「いや、その娘自身が見たってわけじゃなくて、その娘の友達が見たらしいんだ。もちろん友達の方は見たのがまさかドッペルゲンガーだなんて思いもしなかったから、声をかけたのに何で無視したんだ、ってことになって最初少し揉めたみたい」

「それってアリバイ無い方が嘘ついてるか勘違いしてるだけなんじゃないのかしら?」

「あんまり悪い意味に疑っちゃ可哀想じゃないか。実際その娘は同じ時間に別の場所で別の友達と一緒に居たらしいから、現実的に言えば勘違いの可能性もあるかもしれないけど、見たほうは間違いないって言ってるんだってさ」

「勘違いを認めたくないだけじゃないの?」

「そういうことはいくら追求しても答えなんて出ないだろ?

 まぁ、それで仲裁もかねて僕や周りの皆も交じって話していたら、どうもここ最近似たようなことを体験している人が他にも居るらしいって話になってね。一人だけ言ってるならどちらかの見間違いか何かってことで収まったかもしれないけど、他にも同じようなことがいくつもあるってなると、そうとも言い切れない」

「それで『ドッペルゲンガー』?」

「そゆこと」

 行方一はこの場の全員に向けてしゃべり、神無さんは行方一に向かってしゃべるという、局所的なコミュニケーション不全を起こしている。……ように私には見えたのだけれど、そこでさして気にした風もなく聖園姉妹がとぼけた口を挟んだ。

「でもあたし達、そういうこと言われる事良くあるけど……ね?」

「う、うん」


 ──二人して全く同じ格好(そんななり)してたら、そりゃあなた達はそういうこともあるでしょうよ。


 というツッコミを私は心中で放ち、行方一は苦笑いでそれを代行する。

 識視さんは変わらずニコニコ、神無さんはガン無視状態だがさりとて気分を害したような気配もない。どうも彼らの間ではこういうあり方が日常であるらしい。

 なんかいびつというか、変わり者集団は端から見るとえてしてこんなものなのだろうか。

 ……まぁ、私には彼らの関係性について慮る義理などない。

 全力ですっとぼけているらしい架折さんに対して若干申し訳なさそうに巳祷さんが同意しているという様子を見てどちらが天然なのか、という部分に考察の余地を見出しつつ、私は変わらず空気を演じる。


「なんか安直過ぎない?」

「……いえ、話のとおりなら、確かにドッペルゲンガーの特徴を押えてると思うわね。『話しかけても答えない』『当人が行きそうな場所に現れる』っていうのはまさに狭義の意味で言うドッペルゲンガーの代表的な特徴よ」

 と、今まで微笑を湛えて黙していた識視さんが口を挟んだ。

 なんだか本当に話を聞いているのかよくわからない雰囲気だったが、ちゃんと聞いていたようだ。

 しかしこの人、こういうオカルティックな方面の知識まで有しているらしい。どういう生活を送るとそんなに多岐にわたる知識を蒐集するような機会が巡ってくるんだろうか。

 呆れにも似た感心を抱かずにはいられない。

「そういえば……」

 と、そこに少し意外な方向から追加情報が入って来た。発信源は巳祷さんだ。

「隣のクラスのお友達も似たようなこと言ってたかも……」

「あら……本当に噂が広まってきているのねぇ」

 そんな話を私は今日に至るまで片鱗すらも聞いた記憶がないけれど、それは単にそういう情報のやり取りをする知人に心当たりがないというだけの話かしら。

 識視さんの言うとおり、巳祷さんの発言が本当なら噂は高等部二年生界隈だけでなく少なくとも一年生界隈にもある程度流れていることになる。

 朝の段階ではなんでよりにもよって私だけ、なんて方向の定まらない憤りに似たものを感じたりもしたが、この件はもしかするともっと大事なのかもしれない。

 集団心理──という言葉をここで使うと誤用になるが、自分だけの問題ではないという感触で、私は不謹慎ながら少し安心してしまう。

 ただ、現時点までの話を聞いている限りではまだ一つだけ、私とその他で決定的に違う部分がある。ある意味では一番重要な要素だ。その点に関しても自分以外の判例が出てきてくれなければ、完全に安堵するわけにはいかない。

「カラオケ屋さんに友達と行ったとき、受付で部屋を取ろうとしたら店員さんに『もうお帰りですか?』って訊かれたんだって。帰るも何も今来たところだって言ったら、ますます戸惑ったような顔されたからどうかしたのかって訊いたら『さっき受付済ませましたよね?』って。

 話がかみ合わないんで、仕方ないから『数分前に来た人』の取った部屋に店員さんと一緒に行ってみたら、部屋の中には誰もいなかったんだけど代わりに受付で借りるドリンクバーのコップと、その娘の会員カードで部屋を借りた伝票が机の上に置いてあったんだとか」

 単に目撃されるより一層不気味だ。

 いやでも待った。その話って……

「あれ? でもそれだとドッペルゲンガーらしきナニモノかはカラオケ店員と会話したってことだよね? さっきまでのとちょっと違う?」

「あ、そっか……じゃぁ関係ないのかな」

 関係の有無で言うなら、個々のドッペルゲンガー目撃談すべてに関してもそれぞれ別件である可能性もあるんじゃないか……とは思ったがもちろん私は口を開かない。

 関連性はさておき、他の例と様子が少し違うらしいことには私も気づいた。

 カラオケ店がその娘の行きつけであるならば『当人が行きそうな場所に現れる』という特徴には該当するものの、『話しかけても答えない』からは随分と乖離している。

 そして私の例とも重要な点がまた一致していない。

 もしかすると、今この近辺で目撃されているという『ドッペルゲンガー』達にも、いくらか種類があるのかもしれない。識視さんもさきほど、狭義の意味で、と言っていた。

 なら『狭義の意味で言うドッペルゲンガー』ではないソレはいったいなんだろうか。

 そんな心中の疑問に答えた声は、常人の耳には一つ、私の耳には二つ聞こえた。


「「ヴァルデガー、かしらね」」


 一つは識視さんの声であり、もう一つはさっきから黙りこくっていたイオの声だった。

 思わず中空に漂うイオの、宝石を砕いてちりばめたが如き輝く貌と識視さんの落ち着いた微笑の合間を視線で三往復ばかりしてしまった。

 タイミングと表情から察するに、イオは私を動揺させるためにわざとやったようだ。まんまとつられた私も私だけれど。

 イオの存在を認めるような所作は人前ではなるべく避けねばならないというのに。

 とりあえず変わらぬ態度を半ば無理やり作り直してそれとなく周囲のそうそうたる顔ぶれに注意を向ける。

 幸い眼だけでの挙動だったおかげで、こちらの不審な動作に気付いた者はいなかったようだ──と思ったところで識視さんと、また目があった。


 ニヤリ、と私にだけ判るように眼が嗤ったように見えたのは気のせいだろうか。


「ヴァルデガーって?」

 私の動揺にも、識視さんの表情の変化にも気づかなかったらしい巳祷さんは、よくできた生徒のように自分が判らなかった名詞の意味を発言者に問う。

「ちょっとした民間伝承か、都市伝説みたいなものよ。日本ではどれくらい例があるのかはわからないけれど、地元民が世間話にしてしまえるほど頻繁に出没するような土地も外国にはあるそうよ。

 簡単に言うと当人がまだ行っていない場所に先んじて現れる分身、かな? 厳密には違うけど、これもひとまとめに『ドッペルゲンガー』の一種と言ってもいいかもしれないわね」

「へぇー」

 識視さんの口調にはよどみがない。

 つい最近意図して仕入れた知識ならばそういう知ったかぶりを披露するのもそう難しい事ではないかもしれないが、彼女がそんな調べ物をこんなタイミングよくするというのも考えにくい。

 要するにそういう雑学もスムーズに語れるほどの頭脳を持っているということなんだろうか……この人本当に人間なんだろうか。EMPで壊れない?

「しかしまぁ、気味が悪いというか、不思議な話もあるもんだね」

「誰かのデマを面白がって皆が真似してるだけだと思うんだけど……」

「えっ、そうなの?」

 神無さんの懐疑的な意見に巳祷さんが素直な反応をする。

 話題を提供した当人である行方一もさすがに噂を全肯定できるほどお人よしではなかったようで、少し言葉を探すそぶりをしたのちに選択したのはどっちつかずの言葉と苦笑だった。

「最初に言い出したのが誰かもわからないし、それがデマだったと決めつけたくはないけど、思い出したみたいにあちこちから噂が湧き出してるからね。さすがに一つも嘘が混じってないとは言い切れないだろうなぁ」

「UFOの目撃談と一緒ね、第一目撃を皮切りに突然類似した噂が出回る……都市伝説とかにはよくある傾向よ」

 識視さんによるそんな口添えで、この場における『ドッペルゲンガー』騒ぎは懐疑的……というよりかは一種の地方限定の流行りという認識に傾倒した。

 まぁ、確かに普通に話を聞いただけの立場なら私も全面的に同意していたところだ。

 すでに目撃してしまっている身としては、そう簡単に切り捨てきれないわけだが、かといってここで再度会話に燃料を投下するほど気の利いた対人スキルを私は持ち合わせていない。

 それに、最後に付け足された行方一の言葉が口と気を重くした。


「そもそもまだ『自分のドッペルゲンガーを見た』って話が出てきてないんだよね」


 ………………。

 あぁ、やっぱりないんだ、そういうクリティカルな奴は。

「残念だったわね」

 耳元で何か聞こえた気がしたが無視した。音としては耳触りだけは良かったのでBGMとしては上質である。

 唐突に黙り込む私──つまり端から見れば様子の変わらない──をよそに、彼らの駄弁りはまた軽やかにトピックスを変えていく。

 飲み物が底をついて数秒ほどストローを鳴らしてしまった時は少々視線を感じたが、それも空の紙パックをベコベコつぶしている作業の間に流れていったので特別変には思われなかったことだろう。

 割と品のいい女子陣だったので行儀が悪いとは思われたかもしれないが、わざわざ咎めてくるほどの几帳面な人は居なかったようだ。

 以降の会話には少なくとも私から特筆すべき内容は出てこなかった。

 中座するの何となくはばかられたので彼らのやり取りをぼんやりと観察することに私は終始し、これも意外だったことにもっとも遅く食べ終えた識視さんが立ち上がる支度が整ったところで言葉はお開きとなる。

 別れるときには社交辞令的に「また」という二文字がセリフの中に挟まっていたようだが、息継ぎのタイミングを整える文字数稼ぎ以上の意味はなかっただろう。

 最後にもう一度識視さんと目があった、気がした。

 どうも私は、彼女のことを少々ぶしつけに観察し過ぎていたのかもしれない。



 ──こうして私は何の因果か、或いは妖精のいたずらかによる巡りあわせで生じた、我が学園の誇る有力者たちとの最初で、そして結果的には最後になる昼食会を、さしたる有意義なことを成さぬままただ単に過ごし終えた。

 欲して得られる機会でもないだろうから、もう少し何かあってもよかったかもしれないが、じゃぁ何を以て有意義な時間と呼べるのかと考えると閉口するしかない。ずっと口は閉ざしてたけど。

 せっかくの有名人なのだからサインでももらうとか?

 或いは学生らしく携帯のアドレス交換というのもありだったかな。

 まぁ、結局どちらもしなかったのだから考えても仕方がない。

 ならば次の機会にでも?

 自分で思いついておいて、私はすぐに首を横へ振る。

 そんなものがあるとは、ちょっと考えにくい。今日のは本当に、ボタンのかけ間違いみたいなものだったのだ。正しい位置に気付いてしまえば、寝ぼけでもしない限り二度目はない。

 二度目、なんてうぬぼれたことも言うまい。

 二度と、無い可能性の方が高いだろうと、私は見積もっていた。

 同じ学校の生徒で知り合いの知り合い、という間柄になるわけだから二度と会わない、とまではいかなくても積極的に関りあうことはもうないだろう、という予想である。

 特に神無さんは行方一が同席していると大分とっつきにくそうだったし。

 識視さんはどうも底知れない部分が多く判断に困るが、彼女の立場を慮れば望んでも多くの交流を図れない可能性が高い。本来ならば私のようにのんべんだらりと学生生活を過ごすこともままならないほど多忙な身であるはずだ。

 そういえば巳祷さんは私をここへ案内する際「金曜日は」といっていた。想像でしかないが、もしかしたら識視さんが登校して友人達と昼食を取ることが出来るのが金曜日ということなんじゃぁないだろうか。

 本当のところは良くわからない。

 クラスメイトなのだから巳祷さんに聞けば教えてくれるかもしれないがその必要性も感じなかったので行動予定には入れなかった。

 だってもう深くかかわることなどないのだから。

 それらとは別に、巳祷さんにイオが見える(らしい)件に関して問いただす機会が結局得られなかった事などを、私は五限目の授業開始を伝えるチャイムを聞いている最中に思い出した。それもとりあえず急ぐ必要もない件だからと、優先順位的に下方修正して当面目の前授業へ目を向ける。

 別に授業を真面目に聞きたかったわけではなく、下手の考え何とやらということわざを実践しただけだ。今は考えても仕方あるまい、という判断である。

 この時点ですでに、思考のリソースを識視さん一行へ裂くことは放棄していた。

 私は何事も先のことを予想しながら行動する癖がある。

 厳密なものではなく可能性レベルの事を何パターンも事前に考えている程度のものだ。たまに私は人から『冷静』だとか『落ち着いている』と評されることがあるが、それが見た目の暗さを無理やり好意的に表現しようとした言葉でないのなら、この行動原理が根拠になっているのだろう。

 しかし、こういう癖に頼っている所為で、私は酷くイレギュラーに弱い。

 今日は朝からイレギュラーの多い日だった。

 特に興味もないから見たことはないけれど、朝テレビでやっている占いなんかではきっと、私に当てはまるものは軒並み最悪の結果を表示していたに違いない。

 そして、今日という日は、まだ終わらない。


 私が識視さん達に再会するのは、わずか数時間後になる。


結局サブタイトルと内容にそこまで深いリンクが見出せなかったですね。

私はタイトル考えるのが苦手なので……。

あえて法則を言うと、現実に即した言葉の時はまだ日常パートというくらい。


次回『Sub 2( 鏡 )』

また一週間後に。

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