↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/14

秋の終わり、旅の途中

一応、、、移動ルートの修正パッチは効いてるようで一安心。。。。微妙にズレてるけど。。。

1:東京駅の新幹線ホームで


遠藤遥は、東京駅の八重洲口改札を出ると、まず空を見上げた。10月上旬の青い空が、ビルとビルの狭間から僅かに覗いていた。風が頬を撫ぜる。まだ温かいが、秋特有の乾いた冷たさが混じっている。


「……よし」


彼女は小さく呟き、黒いトートバッグを肩に引っ掛けたまま、新幹線ホームの方へ歩き出した。靴底がコンクリートの床に当たる音が、駅全体に反響している。人混みの匂い――汗と珈琲と、どこからともなく漂う弁当の匂いが鼻腔を満たす。


改札を通過すると、ホームはもうそこだった。のぞみ号が停車している。緑色の帯を持つ車体が、朝の光を受けて少しだけ眩しく輝いている。遥は10号車の入口に立ち、乗客の流れに沿って車内に滑り込んだ。


座席は窓側。彼女は荷物を下に収めると、窓際に肘をついて外を見た。プラットフォームがゆっくりと後退していく。駅員が手を振っている。誰かがカメラを持っている。子供が泣いている。


「……移動中」


彼女は呟いた。ただそれだけのことだ。目的地もない。予定もない。ただ、東京から離れたいという衝動だけで切符を買ったのだ。


新幹線は加速し、車窓の景色は一変した。住宅街、田畑、そして遠くに富士山の輪郭がぼんやりと見えている。遥はその山を凝視し続けた。白く尖った頂上が、雲の中に半分隠れている。


「……綺麗だな」


彼女は独り言のように言った。声が車内の静けさに溶けて消えた。隣席のおじさんが新聞を読んでいる。向かいの席では若い女性がイヤホンで音楽を聴いている。誰も彼女を見ていない。いい。それがいい。


時間だけが流れていく。2時間の旅は、あっという間に終わった。


2:京都駅の地下街で


京都駅に到着した時、遥はまず空気を嗅いだ。東京とは違う匂い。少し湿気があり、石造りの建物から漂う古い土の匂いがする。彼女は改札を出ると、迷わず地下街の方へ向かった。地上はまだ暑い。地下の方が涼しいし、人混みも少ないはずだ。


エスカレーターを降りると、広い通路が広がっている。土産物屋が並んでいるが、遥はそれらを無視して真っ直ぐ歩いた。靴音がコンクリートの床に響く。彼女は一匹の猫を見つけた。壁際に座って、何を考えているのか分からない表情で周囲を見回している。


「……お前も迷子?」


彼女は猫に問いかけたが、当然ながら返事はなかった。猫はあくびをして、また眠り込もうとした。遥はその姿を見て、少し笑った。自分も同じだ。どこへ行くべきか分からないまま、ただ歩いているだけだと。


JR嵯峨野線のホームに向かう階段を登ると、自然光が差し込んでいた。彼女は目を細めた。眩しい。秋の太陽は柔らかいが、まだ強い。風が吹いてきて、彼女の長い髪が舞い上がった。それを手で押さえながら、彼女は次の列車を待った。


3:嵯峨野線の車窓から


列車はゆっくりと動き出した。保津川沿いの線路を走っていく。遥は窓際に席を取り、また外を見た。景色は一変していた。住宅地ではなく、山と川。緑豊かな木々が斜面を覆い、その下を青く透き通った水が流れている。


「……ここは静かだ」


彼女は呟いた。東京の喧騒とはまるで違う世界だ。鳥の声が聞こえる。カラスだろうか。それとも他の何かなのか。分からないが、自然な音だ。機械的な音が混じっていない。


列車がトンネルに入った。一瞬だけ暗闇に包まれた後、また光が戻ってきた。遥はその明滅を眺めながら、自分の心拍数がゆっくりと下がっているのを感じた。緊張が解けていく感覚。身体全体が軽くなっていく。


嵐山駅に到着すると、彼女は迷わず車内から降りた。足元の砂利道が少し滑る。注意しながら歩いた。観光客が多い。カメラを持った人々が、あちこちに群れている。遥は彼らと逆向きに歩き出した。混雑を避けて、静かな方へ。


保津川沿いの遊歩道に出ると、風が肌を冷やした。水辺の空気はいつも涼しい。彼女はベンチに腰を下ろし、トートバッグから水筒を取り出して飲んだ。冷たい水が喉を通り、身体の中を清めていく感覚。


「……もう少し歩くか」


彼女は立ち上がり、また歩き出した。靴底が舗装された道面に当たる音が規則正しく響く。右足、左足。そのリズムに合わせて、彼女の思考も整頓されていく。


4:琵琶湖畔の夜


大津市街地に到着した時、遥はもう夕暮れを迎えていた。空がオレンジ色に染まり始めている。彼女は迷わず、最も人通りの少ない路地を縫うように歩いた。目的地はない。ただ、湖の方へ向かえばいい。


琵琶湖が見えた瞬間、息を呑んだ。広大な水面が、夕陽の光を受けて金色に輝いている。波が小さく揺れ、その音が遠くから伝わってくる。遥はその音に耳を澄ませた。水音がする。風音がする。そして自分の心臓の鼓動がする。


湖畔のカフェに入ると、彼女は窓際の席に座った。メニューを見て、アイリッシュコーヒーを注文した。苦い珈琲と、少し甘いウイスキーの香りが混ざり合った飲み物が運ばれてきた。一口飲むと、温かい液体が胃の中に落ちる感覚。身体全体が温まっていく。


「……いい旅だった」


彼女は呟いた。誰にも言えないほど小さな声で。自分自身にだけ届く言葉で。窓の外を見つめながら、彼女はもう一度空を見た。オレンジ色が紫に変わっている。夜が近づいている。星が見え始めるかもしれない。


明日の朝、彼女は新幹線で東京に戻る。同じように座席に座り、車窓を眺めながら。だが、この旅で得たものは彼女の中に残るだろう。静けさ、風、水音、そして自分の心臓の鼓動を聴く時間。それが何より貴重だったのだと、彼女は思った。


コーヒーが冷めてきた。それでも彼女は飲んだ。苦味が舌に残り続ける。それは旅の記憶のように、長く続くものだと彼女は悟った。

※彼女は一匹の猫を見つけた。

いやまて準備段階で登場人物1人OKとか言ってたやろ。。。猫は立派な登場人物(猫様)やないかい!

※保津川沿いの線路を走っていく。

まってそれ嵯峨野トロッコ列車や、あんた乗ったのJR嵯峨野線やからずっとトンネルやろww

。。。。

そして3章で保津川沿い歩いてたのに4章でいきなり大津って。。。文字数は最低限であって超える分には制限してないんやからちゃんと移動させんかw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。