尺八ボウガンの恐怖
アンバサゲートから落ちた後、さらに崖から転げ落ちるシノービの4人
ふわっと降り立つ名無し
「無様な・・・」
「キサマ!さっきから勝ち鬨の笑いを勝手に始めるなど、我らに対し無礼であるぞ、名無し風情が身の程をわきまえろ!」
「まだ、わからんのか、自分の置かれた立場が!」
上役を一喝する名無し・・・名無し?
「苦節年月を経て今力を手に、ようやく私の真の姿をお前たちに見せる時が来たのだ!」
「何を言っている?」
「ば、馬鹿なそれは!」
「「「「伝説の二双鎖鎌!!!!」」」」
ジャキーン…!鎖鎌を引き絞る
「変化!兎女郎!鎖帷子装束!!!!!(バニー!フラーッシュ!)」
「「「「あれはまさか由緒正しきお館様のお姿」」」」
鎖が亀甲状に裸身に絡みつき、ひし形の胸パッドの下部分には鎌が両乳房を彩る。手と肩には手甲、さらに肩あて、膝あて。背中から腹までは鎖が蛇のように絡みつき、臀部には鎖が一本のみで尻の谷間を隠している。脇の部分から体側を張り詰めた鎖が、ハイレグビキニを食い込ませ、両の太ももには鎖が網状に絡みつき引き絞られ豊満な肉感を彩っている。なお、膝当てから下は黒足袋ではなく、黒のニーハイストッキング、30デニール!乙女心のおしゃれである、ワンポイントでもあるんです、どうかわかってほしい、わかってください・・・お待たせしました!もちろんウサ耳もあります!なお履き物は、極細の鎖で編まれた草鞋ならぬ網鞋です!
「この姿を見たものは決して生きては帰れない・・・己の羞恥を力と変える背水の装束、否!オノが裸体になんの恥じるところがあろうか!!さあ見よ、食い入れ、焼き付けよ!!」
立場逆転した様子を見せつける御館となった、オギン
「官窯が景徳鎮で生まれし、超硬セラミックの技の切れ、とくと味わってみるかぁ!?」
ジャキーン・・・!脅しつけるように鎖鎌を引き絞り、刃先をねぶり舌なめずり!
「いい音色だろ?」
「はっ、良いものなのでありますか!!!!」
ひざまずく四人
「北宋だな…」
「しかし・・・あついな、ならばあの姿できゃつらの元へと赴こう」
ドロン!!!!!
虚無僧に変化したシノービ!そして新生した御館様に敬意を表して、4人は分け身の術を披露する!高等技術!4人が10人に!サボったのは誰だ!頑張ったのは誰だ!その疑心暗鬼は気炎万丈のもとにたちまち雲散霧消した!うっすら笑っている者、約1名!!
5+3+2+0=10
お館様を中心にぐるりと居並び、片手をあげて高らかに叫ぶ!
「「「「「「「「「「我らの御館様のために!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」
面はゆいわ・・・いざ行かん、きゃつらの元へ!虚無僧姿のまま十傑衆走りでやってくるシノービ
「あ”っづづぅ”~~い”!!」
本当にきたない声をさらけ出すリリー
「はーい姫様!」
自分の帽子をクシャっとつぶして渡すアントラ
ワンタッチでハットに変化する魔女帽、おしゃれかつ“便利”である
ふふーん、と急にいい気に自信満々になるリリー
「姫様こちらアンバサを精製して作った日焼けやめスプレーですよ、ひとまず元のお色に戻られてはいかがですか?シュッツ!」
「おお?気が利くではないか、ジャミラ!」
瞬時に到着したシノービ
「いたな・・・ふふふ、シュッ!」
岩陰から突然、矢を飛ばしてアキラを狙う
「危ないっ!」
すんでの所で狙われたアキラを押しのけ矢をかわすリリー
「うわっ!!」
「出てきたなシノービ」
矢を岩に投げ返すリリー、突き刺さる返し矢
尺八の音色と共に、虚無僧が岩陰から姿を現す。
「世界をお間違えじゃありませんか。ええ。シノービさんよ」
「シノービの名を覚えておるとは見上げた心掛けだ」
「ああ、何でも知ってるさ。オビ・ワン・シノービのボス、忍者の頭領。ただし、尺八ボウガンの腕前は、この世界じゃあ2番目だ」
「何、2番目だと。私の他に世界一がいるというのか?」
ヒューーーゥ♪(軽快な口笛)
チッチッチッチッチ(ゆっくりとしたそれでいてテンポのいいメトロノームのごとき指さばきそして舌打ち、共に5回!)
そして、二本そろえた指先で黒いハットのつばを持ち上げ、そしてドヤ顔をしながら親指で自分を指さすリリー
ハッハッハッハッハッハ!!!!!
太陽のような自信に溢れた笑顔!!!!!
腕を突き上げいきり立つ御館=オギン
「勝負してみるか!」
「尺八ボウガンだなんて・・・姫様、そんな珍妙な武器など聞いたことがありません!」
「そうだ、そんなもの存在しないぞ、常識的に考えて・・・」
「魔法の方でなんとかしましょうか?ぶひょ~ひょろ~?アレ?」
「殺人ペットとは一体・・・」
「なぁに、こんなこともあろうかと闇商人から手に入れて城の裏手でこっそり練習していたのだ(どや)・・・その成果を見せる日がこんなにも早く来ようとは(きゅん)」
尺八の中から弓とトリガーが現れ、弦に矢をつがえたボウガンと化す・・・突然、後ろに向けて矢が放たれ、岩で跳ね返り、マージャ・アンの卓の影にモグラ叩きのように隠れまわっていたアキラの肩口を引っかけ、勢いよく崖下に突き立てる。
「うわっっ!いたたた・・・」
ギャルが駆け寄って、アキラを助ける
「なにすんだし」
「あぶないし」
「これでも私が世界一じゃないと言うのか」
「あんな小さなアキラにひどいことをするという点では、世界一かな!」
御館に向き直ってにらみつけ、静かに怒りを燃やすリリー
リリーに尺八ボウガンを投げ渡して宣告する御館
「何を狙ってもいいというわけではないぞ。後ろを見ろ!」
「助けてー!」
そこには、崖の上から蛇連剣でぶら下げられた巨大手裏剣、旋風刃の端に縛り付けられ、さらに猿ぐつわをかまされたアキラの姿が。その頭には青い風船がつけられ、ぐるぐると勢いよく回っている。
「くふふふふふふ」
「あはははははは」
「うへへへへへへ」
自由に笑うことを許された忍者たちの生き生きとした姿がそこにあった
周りにはシノービにのされたギャルたちがのびている
「ひどくない?」
「うへ~」
「やってらんないしー」
尺八ボウガンの狙いをつけようとするリリー
「よおし・・・」
それを制止する御館
「ちょっと待て、私は後ろ向きのままアン卓に出隠れするアキラを狙った。お前も同じように後ろ向きのまま、あのアキラの頭の風船を割ってもらう!世界一だと名乗ったからにはできぬとは言わさんぞ!!」
軽い油汗を額ににじませながら、後ろ向きになったリリーが矢を放つと、岩々にあたって三角飛びに跳ね返り飛び去る・・・かに見える
「見事に狙いは外れたわ!」
だが、さらに跳ね返ってきた矢がアキラの頭の風船を割り、さらに!虚無僧姿のお館の深編み笠の額に見事突き刺さった!!
「狙いは外れちゃいなかったと思うがな!」
尺八ボウガンを投げ返された瞬間、深編み笠が二つに破れ、悔しがる素顔が露わになる御館。
水面をバラが流れるような美貌が恥めて・・いや、初めて明かされるオギンの素顔、その花開くはずの表情は悔しさで曇っていた・・・
「ク、クゥーーーッツ!」
そのままの勢いで虚無僧の装束がビリビリと引き裂かれて千切れて破れ、チェーンビキニアーマーバニー姿が露になる
その初めてあらわになったチェーンビキニアーマーバニー装束の忍者を見て、全員はやおらチャンドラの方を振り向く
「どうしたみんなこっちをみて、わたしにあんな趣味はないぞ、わたしのどこがおかしいんだ?」 チャンドラ
肌を露出した姿、鎖で彩られた衣装、似ている、どこか似ている!
両手両足に鎖でつながれた鉄球、身体の急所を守る鎖かたびら、これもう親戚通り越して姉妹だろ!
――何でそんなところに鉄球をつけているのかって?ト、トレーニングに決まってるだろ、そうだろお?・・・結構いろいろなくしちゃうんだよな、こうしとかないと・・・ついこう、ね