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メトロのシティ

――白い円膜、アンバサゲートに飛び込んだドラン一行。ゲートを抜けるとなんとそこは大空。高い空から真っ逆さまに地面に向かって一直線

「ぷくぷくうかぶ泡ぶくのふつふついづるみなの底ふわふわ浮かべもろともに!」

「さっきから何をブツブツ言っているんだアントラ、あの世のご先祖様に挨拶をするのはまだ早いぞ!(どや)あと10秒くらいはな!(きゅん)」

「唱えあれば憂いなし!」

「おお・・・!」

魔法のシャボンに包まれて、ふわふわと空のただなかに漂うリリー達

「これすっぱいから、なめない方がいいですよ?」

「え?ペロッ、あ、すっぱ!」

大きな白い泡――アントラの魔法のおかげで、無事着陸するリリー達一行。ポンと泡が弾けて視界が広がると、着地した先は大機械都市、建ちいならぶは超高層メカトロメカニックメカニカルビルディングの数々!

「メカトロシティ?メガロシティ?メガニューラ?メガヌロン?メガギラス?なんていうんだっけこういうの・・・」

メトロポリスである

「なんかまた建物が皆、鎧で覆われているな、しかもものすごく高い、まるで塔のようだ。こんなに高い建物がいっぱいあちこちに!」

「ここもまたさっきみたいに襲われたりするのかな」

「馬鹿なことを言うなアキラ。そういうのをな、フラグを立てるというのだぞ」

「・・・はやり言葉に妙に詳しいな」

ヒューン、ドカーン!!!!!

アキラの期待に応えて、ミサイルが飛んできて間近で爆発する 

「ようこそ知的生命体最後の砦、メトロへ、歓迎するよ、そしてさようならだ!」

シャキーン!シャキーン!

月が影を落としたかのような凍りついた足音があたりに響き渡る(シャドームーンの足音)

現れる三人の影。そろいの赤と青のパーカージャケットを身につけたその姿からすらりと伸びて見える素脚は金属!足音すらも高く響く光沢感と硬質感

「さあ、震えろ、滅びの時を迎える喜びに!!」

「大予言が言っているマルスが支配すると!!」

「人類皆終末!!」

「我ら完全生命体が!貧弱で脆弱で軟弱な生身の人間に代わって!新時代の知的生命体となるのだ!!さあ、一本のネジの錆となるがいい!」

「「「チェーーーンジスイッチオン!ワン!ツー!!スリー!!!」」」

キカイパーカー、ゼロワンパーカー、ダブルオーパーカーを天高く脱ぎ捨てる三人

勢いよく脱ぎ捨てられたジャケットの下からあらわになったのは!

どこがどうとは言えないが、まるで水玉をくり抜いたかのようなどこか叡智な赤青黄のラインで彩られたなまめかしいボディの素肌があらわになったその姿は!――機械!メカ!ロボット!

「我らの流れるような美しいボディの前に声も出ないようだな、やむを得まい」

ビビビビビビビビ、ジャミラの叡智アンテナが激しく打ち震える

「・・・そう来たか・・・そう来ましたか!!!いけませんアキラさま見てはいけませんわ、叡智これは叡智と判断させていただきますわ」

「大丈夫だジャミラ、何も見えていないではないか。セーフだ、これはセーフ!」

「それがいけないのです。見えそうで見えないギリギリのところを攻める、これは非常に高度な叡智ですわ!」

「天知る!」

「地知る!」

「人の知る!」

「「「悪を倒せと我ら呼ぶ!人呼んでユナイトロボ3!!!」」」

「三つの力が一つになったとき、我らの前に敵はない!」

「オレのアンバサが沸騰するぜ!」

体の模様が一層濃く強く熱くきらめく

そして三人が同時に両腕を車輪のように回しだす!

「大火輪!」

「大激水!」

「大砂塵!」

大きなぐるぐるの回転でパワーを増大させてから、ピタッと止め!その瞬間にウエストのサイドのボタンをパチーンと弾いて押す!

「「「ポケットパーンチ!!!×3」」」

ヘソ下の多次元ポケットから飛び出す巨大な拳!炎の拳!水の拳!砂の拳!

「烈火!」

「激流!」

「流砂!」

あーーーっ!烈火が激流に飲み込まれて消えてしまった!そして激流と流砂が混ざり合って泥に!これはまずい!三つの拳がたちまち地面にノックダウンだ!

「やるな!ならばこうだ!」

「妄執の!」

「ビッグリングドッキリングガチャ!」

「今月の石も残りわずか!あと一回がせいぜい、これ以上は家賃に関わる!」

「だが、ガチャは回してなんぼよ!」

「いけっつ、ガチャよ回れ!」

「来たか!?」

「クッ、外れか!」

「いや、これはっ!7つ集めると1回ガチャがまわせるようになる星の入ったオレンジ色の宝石!」

「貴重品!」

「決して、ハズレではない!」

「たがっ!ここで石が尽きるとは!おのれゆるさん!」

「何もしてないんだけど・・・」 アキラ 

「あのガチャとかいうのはそんなに面白いのか?」 リリー 

三機のロボが機械的に気を取り直して、奮い立つ

「野蛮だが、身体を張るしかないか、やるぞ!」

「おう」

「ええ」

「くらえ、レッダービーム!シュビビビビビビ」

超高圧で圧縮された一条の熱湯の流水が、分厚い鋼鉄の大地をもチョコレートのように切り裂く

「ゆくぞ、ブラオドリル!ズババババババ」

液体状の泡沫が高速で回転し、接触面からあらゆる対象を原子レベルに粉砕し、破砕し、爆砕し、塵芥と化し、クルクル突貫する

「どうぞ、ジョーヌミサイル!ポポポポポンポンポンポン」

髪を横になびかせたいくつもの縦ロールにも見えるそれは、数珠状に連なったミサイルの束。一つだけ混じったタコハイとともに網の目を縫うように相手に飛び交い襲いかかりあたり一面を荒野と化す、発射されたそばから次々と頭のリボンから次弾が補充されるのだ

「スパイラルルルルルル・・・レッダービーム!」

全身を回転させて突撃し、前方に向かって同時に多数のレッダービームを連射する様は、まるで怒らせた蜂の巣のごとく!相手に確実に突き刺さり、命を奪う

「ブラオストーム!」

一気に敵に近づいて高速回転する泡沫を突き出して突撃する。鋼鉄の大地には大穴が穿たれる

「ジョーヌサイクロン!」

前髪と横髪が筒状の扇風機に変化し、嵐もかくやという大つむじ風を巻き起こし、体の自由を奪い、文字通り吹き飛ばす

「ジョーヌミサイルストリーム!」

縦ロールのミサイルコンテナである後ろ髪を左右に振りながら、1秒間に20発ものミサイルを連射する。リボンからの補給と相まってミサイル連射はほぼ無限に続く

リリー達は防戦一方だ!

チャンドラが両手で鉄球を回転させてビームを防ぎ!

「え、すご、あれ大丈夫なの?」

アントラが防御魔法でバリアーを張る!

「パチパチ弾けるこの力バチバチ守る皆の身をお願いパリパリ割れないで」

「が、がんばって!」

リリーが応援し

「そうだ、頑張れみんな、お前たちならできるぞ、信じているぞ!」

テレスは正座し

「私も見てるぞ」

ジャミラは自前のスプレーボトルにアンバサを入れて前線の二人に振りかけて鋭気を養い、労をねぎらう

あたりに立ち込める弾痕、土煙、硝煙の臭い

「つい派手にやりすぎたか?」

「しまった・・・・・・これは!!アンバサメーターが0に!アンバサエネルギーが尽きかけている!」

「そんな、ありえませんわ!」

「小癪な!これがやつらの狙いか!!ええい生モノの分際でこざかしい真似を!」

「ックッ・・・!!このままでは原始時代のゴミの分別の日の悪夢が再び来てしまう」

「あぁ、プレスにかければたちまち資源に戻る美しい世界の循環が!」

「ここはひとまずタワーに行かなければ・・・」




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