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アンバサダー、蒸留せよ!

「ここは?」

青白い空間がどこまでも続いていた。上も下も右も左もないどこにも移動することのない空間のただ中にアキラは一人いた

・・・いや、そのアキラを見つめるものがいた。遙か遠く、すぐ近く、つかず離れず、遠巻きに、見つめるものがいた。興味、不安、疑心、関心、自信、慢心、それらが入り交じった存在がアキラをアキラとして固定していた。その存在が、アキラを自身へと引きつける、招き寄せる、呼び寄せる。

「・・・ラ・・・キラ・・・アキラ・・・アキラ」

「???アキラ???」

「何?ボクの名前?――なんだあれ!?」

鉛色の巨大な光のエネルギーがオーラをまといこちらを向いている。その鉛色の光のエネルギーは、それに立ち向かう何十という白い影を瞬く間に一掃する

「すごい・・・!すごく強い!すごくでかい!すごいプレゼンスだ!」 

曲線が構成する流体金属はローブを羽織ったような人影となり、そのゆったりとしたシルエット、その姿は背後の巨大葉巻型宇宙母船の中に溶けるように消えた

「・・・来い」

アキラは頭の中に響く声に導かれ、宇宙船の間近にまで吸い寄せられる。目の前に扉が開き、招き寄せられるアキラ

「なんだか傾いて上るエレベーターだ・・・そうだ確かに斜めだ」

「来たか・・・」

天井のメインモニターに現れるガザビ

「あなたは・・・?ここは・・・一体?」

「本艦の第一艦橋だ」

「第一艦橋・・・?ということは、ここは宇宙船の中?」

「お前の目の前にあるコズモレーダーを見るがいい」

「この泡のような丸いやつ・・・星だ、中に星の形が見える、なんかアンバサみたいな色の星だ」

「そうだ、それがお前たちの世界のすべて。お前たちが争っていた小さな世界、そのすべてがそれだ」

「なんだって、それは本当かい?・・・お前たち?」

「忘れるのも無理はない、お前はただ巻き込まれただけの傍観者、いわば脇役なのだからな

脇役・・・じゃああなたは?」

「我はガザビ・・・帝政ガザビ神領、永世領主ガザビ・・・」

「この試験域、kαルPヰ州もまた、我の数多ある汎媒飲料の一つに過ぎん。そのいずれも滅びるもよし、栄えるもよし、全てはこれ、ままならぬ市場の定め。ガルビスとアンバサの競合を図りどこまで世界を塗りつぶせるか、ただそれだけのこと。それもむなしい試みだった・・・所詮は、ヘリオ・セス・ベータ型開発・・・全ては定められた運命のままに。お前もまたアンバサというイレギュラーに翻弄されたいわば被害者のようなもの、お前の存在を消すことはたやすい。だが消費者代表として、ただ偶然お前を残したのは、可能性としてその記憶野に訴えかけ、我の意向を汲んだ新しい飲料を生まんとする試み、そのささやかな戯れだ。気にすることはない、ただのプレカスタマーサポートだ。さあ、お前はこれからどの世界で生きたい?」

アキラの目の前に、これまで出会った来たような面々の姿が浮かんでは消え、浮かんでは消え、そしてそのどれもがアンバサではない、違うジュースを、飲み物を、清涼飲料を、あるいはスーパーでドライな飲み物を、手に手に取って、嬉しそうに美味しそうに飲み下していた。そして、その輪の中には、アキラの姿もまた含まれていたのだった。どこにも、どこにでも、どこの世界にもアキラの姿はあった。

「さあ、選ぶがいい、選んでみるがいい、自分の可能性を・・・」

「え・・・これは・・・これは本当に僕なの・・・?」

「そう、お前自身が、お前自身で決めうる可能性の姿だ・・・!従順な消費者よ、選んでみるがいい、自分が最も望ましいと思う可能性を、世界を・・・!」

「・・・・・・いやだ・・・」

「僕は・・・いやだ!」

「お前たちがあらがっていたときに、自分が守られているとは思わなかったのか?アンバサに、アンバサの意思にだ。あれが戦いであったとして、お前は戦っていただろうか?思い出してみるといい、お前は戦いの最中、何をしていた?」

「僕は・・・僕は何をして・・・・・・」

「だが・・・そう、そうだ、なぜお前は守られていたのだ、何の力も持たない、アンバサの民ですらないお前がなぜ?アンバサなぞ、しょせん我の生み出したガルビスの、さらに似姿として生み出されたまがい物に過ぎん。ガルビスに逆らい、今ガザビにあらがう小さな炭酸の粒のような者・・・お前は、一体・・・そうか、お前こそがアンバサの・・・・・・その力・・・目覚める前になかったことにしてやろう。真の炭酸の洗礼を浴びてはじけ飛ぶがいい!ミ2yαΨДа!!!!!」

その声を振り払ってアキラが叫ぶ

「何がいけないんだ・・・僕が何をしたんだ!」

おかしいとは思わなかったのか、アンバサしか口にせぬままに生きていける自分の有りようが。気づかなかったのか…アンバサだけで生きていけるその命のあり方が、アンバサを命の水として生きる自分の姿が!コーヒーは飲めない、エッタノールの実は食べられない、いや、それ以前からアンバサしか口にしていないにもかかわらず平然と生活している、そのことに疑問は持たなかったのか?!

全ての時空間を見通すガザビの力によって、アキラの過去の姿が映し出される。アキラの自宅の食卓には常に均一のメニューが、コップに入ったアンバサとトレーが並んでいた。それは四角いプレートに満たされたレーション、色分けされ味付けされ工夫が凝らされてはいたが、それは紛れもなく固形化されたアンバサであった。そう、アンバサであった。これまで、事ここに至るまでに、アンバサしか口にしていない存在、それがアキラであった!

「アンバサのどこがおかしい!何が悪い!ガルビスだって、ただアンバサを駆逐するためだけに生まれたものじゃないだろ!それを、命を、弄ぶだなんて!ガザビ!そんなこと、許されない!」

「我こそがお前たちを下僕に似せて生み出した存在、すなわち天上の神なるぞ。ガルビスあってのアンバサ!ガルビスなくしてアンバサなし!そしてそのガルビスも今はなし!」

「神…それがどうした!神様なんて勝手なヤツは人間に謝らせてやる!謝れ!いま人に謝れ!神よ!」

「知らずにずっと握りしめていたアンバサ缶が震え出し、アキラの手をゆるがせにする」

「アンバサが、炭酸が暴れている・・・いや違う――これは!!!!!」

アンバサが、缶から弾けるように吹き出る!辺りに溢れる白い飛沫の渦!光のシャワー!そして、溢れる炭酸のつぶつぶが弾けてみんなの声が聞こえる!

「アキラ!」 ドラン

「主殿!」 シノービ

「アキラさん!」 メトロ

「アーキラくーん!」 チューゲン

「アキラ君!」 マジエル

――アンバサ!

――そうだ、アンバサだ!

――やっぱり、アンバサがいい!!

――アンバサだ・・・!!!

アンバサダーーーーーー!!!!!

――そこには変身したアキラの姿があった!

「白き泡より生まれし妙なる大河!白河発泡アンバサダー!」 アキラ

思わず息をのみ、驚くガザビ!

メタ・アキラがアンバサスーツを蒸留するタイムはわずか0.05秒に過ぎない!では蒸留プロセスをもう一度見てみよう!

――蒸・留!蒸留の音声コードは、一瞬のうちにはるか彼方の超次元アンバサ空間内にまでとどき、そこを守護する超次元アンバサ豪速騎ダラグランが声紋を受信、「リョウカイ・コンバットスーツ・テンソウシマス」の照合信号と共に、特化変異型メタルである高次元アンバサニウム製のコンバットスーツを粒子状態に変換して転送する。転送されたアンバサニウム粒子はアキラの身体に飛沫のように吸着して全身をコーティングし、コンバットスーツが装着されるのだ!

「かわいい上に!ついててお得!白河発泡アンバサダー!!!!!」

無数のヒーローカットが、左右上下斜めの各所からインしてくる!さらに左右からカメラがなめる!最後に顔のアップ!目が光る!

かっこカワイイその姿は、ほぼ全身が光り輝く銀色の金属で覆われ、顔の左半分を覆うマスクにはオレンジ色に輝く瞳が燃える!1680万色に変化する発光部位を身体の各所に搭載し、そして同時にフリルの付いたドレスのような意匠が各所にあしらわれ、ショート丈のヘソ出しスパッツの股間には、まろやかな膨らみが盛り上がっていた!

そう、アンバサダーは男の娘ヒーローであった!

そして、ヒーロータイトルが背景に立ち上がり、いきおいそのまま倒れかかって、ついにガザビが幻影として作り出した宇宙船という舞台装置をも破壊した!

その宇宙母艦の残滓より、はるか巨大な影が揺らめいて立ち上がる。

「何というデタラメ・・・ええい蹴散らせ、宇宙清涼飲料市場の藻屑と化してしまえ!」

ガザビの命によって現れた無数の商品タイトルを冠する翼を持った円盤が編隊を組んでアンバサダーに襲いかかる!

ウオッツ!多勢に無勢!たちまちピンチに陥るアンバサダー!だが、この程度でくじかれるよろしく勇気ではない、声も高らかに呼び声をあげるアンバサダー!

「原子霊獣ダラー!」

呼び声に応え、超次元からやってきた一つの巨大な白い泡が、その時パン!と弾け、現れ出でたるは謎の円盤UFOか?いや、変形する!尾が現れ後ろ足を構え、首が現れ前足を突き出し、さらに巨大な竜の頭部が出現する!そして首の付け根からダラの頭に飛び乗るアンバサダ-!

ダラが前足を構える!突撃する円盤、だがその編隊はダラが振りかぶった前足によって一瞬にして破壊される!アンバサダーが宙を見上げる、襲い来る円盤、ダラが首を振り払いまとめてたたき落とす!振り向き構えるアンバサダー、円盤編隊から怪しい光線がいくつも放たれる!炸裂する火花!だが、ダラには通じない、無傷だ!正面から襲い来る円盤の数々、今だ!放て!ダラの口から100万℃の炎がすさまじい勢いで放射され、たちまち起こる大爆発!まだ襲いかかる円盤群、アンバサダーの指令だ!ダラレーザー!マゼンタカラーの光線がダラの両目から直線上に放たれ、円盤の群れを一網打尽にする!こうして一掃されたガザビの円盤群!原子霊獣ダラーは使命を終えて超次元へと帰って行く!

「フフフ、やはり量販商品ごときでは刃が立たんか・・・ならば、私自身自らの手で葬ってやろう、辺境市場のアンバサの民よ、いやアンバサダー!」

「行くぞ、ガザビ!」

上段に飛び上がり背中のブースターで加速しながら、腕を構え足を突き出して叫ぶ!アンバサキック!軽々とかわしてしまうガザビ。着地したのもつかの間、両脚で宇宙空間を踏みしめて、ためた拳から必殺の一撃を放つ!アンバサパンチ!命中だ!背後からの一撃によろめくガザビ!

「こざかしい、ガザビ多重星間ビーム!」

宇宙に散らばる星々の重力を重ね合わせてねじり合わせた螺旋状のビームがアンバサダーを襲う!

アンバサバリヤー!すかさずアンバサダーは、白い光の壁を作り出し完全に身を守る!そして、お返しとばかりに、アンバサダーは手刀から青白い快光線を解き放ち応戦する、アンバサビーム!爆発の衝撃に乗じて身を隠したガザビ。ガザビの姿が見えない!そこへ追撃だ!アンバサショック!全身からアンバサの飛沫を光線状に放ち、ガザビをあぶり出すアンバサダー!

グゥゥオオオオウウウウウ!

おぞましそうにもだえるガザビ

止めとばかりに次々と繰り出されるアンバサダー必殺の技!レーザーAエースビーム!掛け声と共に構えを作り、腕を突き出し指先から溜めたアンバサニウムエネルギーが発射され放たれるは連なるA字型の白い光線!

「おのれ・・・アンバサダー、神に逆らう愚か者め!」

「いつも、いつだって、悪い奴らは天使の顔して心で爪を研いでるものさ!名もない花を踏みつけない、それがアンバサダー、アンバサダーの力だ!」

「喰らえ!ディメンジョンアンバサ!」

宇宙空間高くジャンプしたアンバサダーは両手を前に突き出し全体重をかけてガザビにパンチを繰り出した!が、その時!

数多の攻撃に攻撃を重ね、迫り来るアンバサダーを、なんとガザビは片側のマントを掲げて迎え入れる、暴れ牛をかわすがごとき闘牛士の仕草!

「さあ行くがいい、ガルビスが向かいし先、乱数転移次元交差式の向こうへと、そして共に混じり合い一つとなって、あらたな境地を目指すがいい」

闇に飲まれ消えていくアンバサダー!頑張れアンバサダー、負けるなアンバサダー!未来が、アンバサの未来がかかっているぞ!

ふふふふふ・・・やはり、こんなものか

一人、宇宙空間を占有して平然と立ち尽くすガザビ

「・・・何か面白いことでもあったのかな?」

宇宙に声が響き渡る!

何っ!

ディメンジョンゲート・オープン、ディメンジョンゲート・オープン

アンバサダ・アンバサダ♪アンバサダ・アンバサダ♪アンバサダ・アンバサダ♪・・・

アンバサダー出撃のワンダバのテーマが宇宙にこだまして鳴り響く!

ひとしずくの炭酸の粒が今がザビの眼前で弾け、水面に広がる多重の波紋のように広がっていく!そしてそこから腕組みをして仁王立ちとなって再び姿を現すアンバサダー!そう、そこにはたった今、次元の彼方へと消えたかと思われたアンバサダーの姿があった!

「次元の海は俺の海!無限の時を経ようと必ず帰ってくる!そう!男の娘なら!(股間のカットイン)ね!(ウインク)」

そしてさらに、その背後には!真っ赤に輝く巨大な頭部が姿を現していた!同様に腕組みをし、リフトアップでせり上がってくるその姿!

かっこカワイイその姿は、ほぼ全身が光り輝く赤色の金属で覆われ、顔の左半分を覆うマスクには黄色に輝く瞳が燃える!1680万色に変化する発光部位を身体の各所に搭載し、そして同時にフリルの付いたドレスのような意匠が各所にあしらわれ、ショート丈のヘソ出しスパッツの股間には、年頃の秘密の花園が隠されていた!ロングヘアがなびく!

キノコ狩りにむせび泣く心の針の音をも聞き分ける女!

赤と黒のスーツに流れる白いラインはまるで飛沫のよう、両腕を構えて突き出したポーズをいくつも取った後のあとバク転からのモデル立ち、カットインが左右上下ナナメから入り、そして名乗る!

「アンバサダー・・・」

シュパッと弾ける泡と同時に、フッと斜め上を見上げるように力強く妖艶に

「ビューティー!」

名乗りを上げる!

そう、アンバサダー・ビューティーはお姉さんヒロインであった!でかい!何が!そのサイズ、その背丈はガザビにも匹敵する!

「行くよ、アベンジャー!」

「はい、ビューティお姉様!」

アンバサダーズキック!ジャンプした二人のアンバサダーがその軌道を交差させて、同時にガザビに蹴りを叩き込む!

グゥウウウウウウウウウッツ!!

その巨体を回転させよろめくガザビ

「そのデカ女から始末してくれるわ!」

「惑星直列剣!」

手に届く範囲の惑星をやおらつかみ取り直線上に配置したそれは、そこに住まう全ての生命体のエネルギーをまとい、刃が、その凶刃が、今、懲罰を与えんと、アンバサダー・ビューティーへと向かった!

アンバサプロテクション!アンバサダー・ビューティーの掌から瞬時に発する四角いバリヤーがガザビ必死の猛攻撃を跳ね返す!

「その程度なの?!」

笑みを浮かべてアンバサダー・ビューティーが応える!

「ならば狙うは一点、急所!キノコ狩りだ!」

カーッン!ビューティーの腰のベルトから伸びるフロントアーマーが攻撃をガードする

「フッ、ここは秘密よ?」

瞬時にベルト上に縮むフロントアーマー

「何っ、サルマタケが無いっ!バカな!」

「乙女の秘密よ、おバカさん!アンバサダー・ビューティージャンプ!」

ただ宙に飛んだわけではない、足のブースターからはアンバサニウムを超圧縮したエネルギーが放たれその高さは別宇宙にまで達する!

「あ、やり過ぎちゃった!でも、大丈夫!」

別宇宙に漂っていたアンバサを一口拝借したあと、今度は真っ逆さまに美しい赤い彗星がアンバサ比、通常の三倍の速度でガザビを襲う!

「アンバサスパークボンバー!」

重次元を突破するパンチが高速回転しながら真っ直ぐに飛び、ガザビに超強力なパンチをお見舞いする!

「ガゥゥァァァアアアアアアアアアアアアア!!」

身をよじり苦しむガザビ

その時だ!アンバサダー・アベンジャーの目が光る!

「お姉様!あれを使うわ!」

「ええ!よくってよ!」

うぅぅわぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

「スーパー・スパイラル・ダブル・キーーック!」

アンバサの白くまばゆい飛沫が逆円錐状の光線を集約し、数多、幾重にもガザビの周囲を取り囲む。次元転移した二人のアンバサダーがその全てに力を込めて、同時、同時刻、同瞬間に多重のキックを繰り出して、無数の矢が槍が銛が貫くがごとく、一点を貫き通す!

着地した脚で星々をほとばしらせ、宇宙空間に二人の白い光跡が交差する!!

グゥゥオオオオウウウウウ!!!!!!!!!!!!!!

さすがにガザビの様子がこれまでとは違う。まるで崩れ落ちるかのように片膝をついてしゃがみ込んだかに見えるガザビ。

「お姉様!」

「やったわね!」

・・・そうか、これまでか・・・私の・・・私の負けだ、どうか、どうか和解の手を取って欲しい・・・

思わぬ言葉がガザビから発される。和解?!だが、顔を見合わせた二人の表情は明るい。喜々としてガザビに手を差し伸べ、勝ち取った未来から、新世界の誕生を祝おうとした、その時!

ガァゥバサッッツッツッツツツ!!!!!

突如、ガザビの両腕がローブと共に二人を抱き込み、二人をもろともに抱き込み押しつぶしていく!

「な、何を!」

「離せ・・・!」

アベンジャーとビューティ、二人のアンバサダーを両腕に抱きかかえ、そのまま自分もろとも極小に圧縮し、ガザビは今度こそ因果地平の彼方へとアンバサを追放したのだった

「我ながら、木っ端ドリンク相手に度が過ぎるというものよ・・・」

その姿はあの恐るべき巨体のエネルギーを使い果たし、アステロイドサイズにまで小さくなっていた

「・・・さて、もはやこの試験域に用はない、宇宙人口も減少する中、ガザビは新たな一手を考えねばならぬ時。後ろを振り向くような行為はこれ以上無用、さあ、新たな清涼な世界を、新しい飲料よ、今、生まれよ、市場よ!花と開け!ふははははは…やはり、むなしいな」

…嗤いながら、自身を省みるガザビ

「――笑うな!」

・・・・・・ハッツ!!!!!

「確率をつかんだだけの奴が他人を笑うな!」

――声が聞こえる!

「馬鹿な、あり得ない!」

「たった二つの命を捨てて、生まれ変わった一つの身体、闇のガザビを叩いて砕く、アンバサダーがやらねば誰がやる!!!」

深い闇の底から現れた輝く光の結晶は、人影をまとい、輝くボディは青色に光を放ち、今その姿を現した!

かっこカワイイその姿は、ほぼ全身が光り輝く青色の金属で覆われ、顔の左半分を覆うマスクには赤色に輝く瞳が燃える!1680万色に変化する発光部位を身体の各所に搭載し、そして同時にフリルの付いたセーラー服のような意匠が各所にあしらわれ、ショート丈のヘソ出しスパッツの股間には、いたいけな恥じらいを隠すスカートがギリギリ乙女な感じのラインでまとわれていた!ショートカットが風に弾ける!

それは、いつ生まれたのか誰も知らない。

暗い、音のない世界で2つの力が合わさって増えていき、1つの飲み物が生まれた。

それは もちろん定番品ではない。また、限定品でもない。だが、その美しい容器の中には正義のドリンクが隠されているのだ。

その飲み物、それは定番ドリンクになれなかった「ローカル飲料」である……

カーーーーーーン!!!!!

アンバサ・・・ダー・キューーーート!!!!!

そう、アンバサダー・キュートは美少女ヒーローであった!

「もはや語るまい・・・」

ガザビが決死の覚悟を決める

「さらば、お前には、死の響きとなるだろう!ガルビス光線!!!」

青黒い閃光が放たれアンバサダー・キュートの全身を包み込む

「時には役に立つものよ、ガルビス・・・・・・そ、そんな、まさか!」

「ウフッ・・・そんなもの、私の体にガルビス光線は通用しないわ!!!もっとマシなラインナップを用意することね!!!アンバサダー・キュートは、最初からクライマックスよ!」

――マジエルの力!

「アルファ星シェダル!」

「ベータ星カフ!」

「ガンマ星ツィー!」

「デルタ星ルクバー!」

「イプシロン星セギン!」

「「「「「天に輝く五つ星!その力を双剣クレオス!クレメス!に!祭魂・夜気慕躯威!!!!!」」」」」

ガァアアアアアーーーーー!!!!!

「いいこと、裸マントは決して裸ではないの!裸を越えた何かよ!」 ランゼ

「ちょっと、何であなたが前に出るのよ!」 アッコ

「いいじゃないの、インパクトの差よ?!」 ランゼ

――チューゲンの力!!

「マージャ・アン必殺!満願マシンガン!」

「跳ね満ハリセン!」

「今日はアタシとアンタでダブル役満だし、せーの、マージャ・アン・ダブルキック!」

「亜空間天和!フラッシュ・ノヴァ!」

「「「「「億光年も軽やかに飛ぶウチらの魅力が爆発寸前!こいつはすごいぜ!!!!!」」」」」

ギィイイイイイーーーーー!!!!!

――メトロの力!!!

「オープンユナイト!」

「全機!合体だ!」

「チェンジユナイト!」

「鉄の身体がモリモリのびる!」

「メトロニカル・無限百万馬力!」

二本角の巨大な少年ロボットが愛らしくも殴りかかる、お尻からはマシンガンだ!

グゥウウウウウーーーーー!!!!!

――シノービの力!!!!

「この身が剥がれゆくような叡智・・・この局面を打開できるのはもはや、やはり、当然、私しかいない!そう仰るのですね、主殿!主殿の主殿も!!」

「御館様!」

「お供いたします!」

「どうか我らも!」

「なにとぞお側に!」

「「「「「轟雷怨・秘技!暴流闘崙ボルトロン分身の術!百獣王百錬!万死決定斬!」」」」」

百の力が百となり、一万体となった轟雷怨の必殺剣が炸裂する!

ゲェエエエエエーーーーー!!!!!

――ドランの力!!!!!

「この私は大胆にも産後鬱を乗り越えた存在!わたしこそがアンバサの力の源と言っても過言ではない!合体は完成しているな!」

「はーい!」

「バッチリですわ!」

「いつでもいけます!」

「サインは∀!」

アンバサA・レガシー!閃空剣三段Aの字斬り!!!

ゴォオオオオオーーーーー!!!!!

「AAA!!!格付けアップで信用度も増すというものよ!」

「リリーさま!ストップ高ですわ!」

「いいですとも、いいですとも!!!」

さあ、真打ち登場だ!アンバサダー・キュートが、長剣を振りかざしそのまぶしい輝きと共についに決着をつける!!!!!

アンバサ・ダイナミック・クラッシュ・フラッシュ!!!!!

一振りの刃から三つの光刃が同時に放たれ、Aの字の光跡を刻みつけ、敵を一刀の下に爆散させる!!!!!

ズババババーーーーン!!!!!

消えていく爆煙!

巧みなカメラワークと共に、フィナーレの音楽が鳴り響く!

「終わったな・・・!」

「ああ・・・!」

「ついにやった・・・!」

三人のアンバサダーが並び立つ

「追わなくていいのか?」

「まだ倒したわけじゃない感じもするけど?」

「いいんです…去る者後を追わず、私の好きな言葉です」

三人がアンバサを手に取る

「今は喜びましょう!アンバサの新世界の到来を!」

「アンバサで乾杯です!アンバサ!」

「「「アンバサ!!!」」」

カーン!

アンバサの350ml缶が弾ける音を立てる

さあ!新生活の始まりです!!!

――新しいシャーレを与えよう



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