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高時空城塞ガルビスへの挑戦

「これは・・・」

「一体どうしたんだ」

「何が起きているんだ」

「魔法も使えない様子ですー」

「・・・下」 テレス

「あっ、アキラの家があるぞ、あの温泉も見える!シノービの世界も、メトロの世界も、チューゲンも、マジエルも」

「ハッ、上だ!」

「おい、あれは、あれは・・・」

「上にでかい船があるぞ!あれがさっき中にいた場所か!」

「一隻だけじゃない!いっぱいいる!」

「このままだと落ちてしまうのではないか?」

「ええ、早くなんとかしませんと」

「もう・・・もうだめだ、こんなになってしまってはどうしようもない、もう終わりだ、終売だ!発売中止!新商品の開発もストップだ!生産ラインはそのまま別の飲料に転用するのだ!」

「落ち着いて、リリー」 アキラ

「どうした、大胆リリーではなかったのか?」 オギン

「・・・・・・む、その通り、よくぞ知っていたな!」(どや)

落ち込んで尻ごむリリーをのせるオギン

「ちょろぃ」

「何か言ったか?ブツブツと独り言をいうような女はモテないぞ、特にアキラにはな!やつめは、王道の女が好みなのだ。つまりはこの王女たるリリーが相手にとってふさわしいというわけだな。影の道を行く女がちょっかいをだせるものかなあ?うぅ~ン?」

「主殿!?・・・・・・主殿の主殿がこんにちは、くふふふ」

勝手にふにゃけちっているオギン

巻きおこる境界面の振動は、世界全体のすみずみにまで及び、それぞれの世界の核となっていた住人達ともども共振した。それらは浮かび上がる炭酸の飛沫のように融和領域に向かって引き寄せられて、吸い寄せられ、集まって、今ここに一堂に会する5つの世界の住人!

みんな!

「「「「御館様、ご無事で!!!!」」」」 オギン

「こういう場合、はぐれていた方がよかったかもしれませんね」 プルト

「チョーヤバイのだけはわかるしー!」 リュビー

「必要なのは魔法の力かしら、それともロボの力かしら?」 モモ

「多分、両方だな!」 リリー

「よくばりセットね、嫌いじゃないわ」 ランゼ

その様子を第一艦橋のメインモニターで見ていたクイーンは、それを見下ろしてつぶやく

「――僥倖」

「探す手間が省けたというものです、皆の者、今こそ、本艦直下に集まった駆逐目標をまとめて粉砕する時・・・ガルビス・トランスフォーメーション!」

「そ、そんな、大げさすぎますわ、陛下!」

「あのような下等飲料に対して我がガルビスが本気を出すなど・・・」

「効率の問題です、これ以上の意見は無用!バトルフォーメーション・スタンバイ!」

「了解、フォーメーション・スタンバイ!!!!」

白い巨大宇宙戦艦、旗艦ガルビスを中心に五隻の艦隊が集結する、いや密集、密着、ドッキングする!

「ガルビスコール!」

「コールガルビス2!」

青い四本足の木馬のようなフォークのような戦艦が右舷に

――二番艦ゾーダ、接舷完了

「コールガルビス3!」

赤い巨大宇宙円盤が左舷に

――三番艦ヴォーダー、接舷完了

「コールガルビス4!コールガルビス5!」

相似形の双子の黒い戦艦が後部に

――四番艦ザリッジ、五番艦グレーブ、共に接舷完了  

「ガルビス・アッセンブル!」

巨体を起こし今立ち上がる全長1200mにもなる超巨大戦艦の合体した姿、その名も高時空城塞ガルビス!

笑みをたたえた黒い仮面をつけたようなその姿は首をかしげたようにも見え、その頭部とおぼしき位置に鎮座した第一艦橋の口元に、まるでストローのように配置されたエネルギー循環路がその全身にガルビスエネルギーを送り込むのだ!

宇宙艦隊から巨大人型形態に変形したガルビス、それに対するアンバサ勢は文字通りのヒューマンスケール、あまりに小さかった!

「――おおぉおい、どうするのだ、どうするのだ、どうする気なのだ!」

「慌てない慌てない、一休み一休み」ズズー

「テレス!飲んどる場合かぁーっ!」

「姫!」

「姫様―!」

「そうですわあれしかありませんわ、ささアキラ様もご一緒に・・・」

Aトゥゲザー!アンバサA・レガシー!合体プロセスは今、省略された!

「――どうする?こんな足場もない中空で、地面がなければ下剋城も呼びだせんぞ!頭、妙案はないか?」

「そう言われましても・・・あの、孔子苑の土を入れた小袋なら懐にありますが・・・」

「何、でかした!お前達、これでいますぐ全員で土遁の術だ!」

「「「「「ハッ、ドドドドドトン!!!!!」」」」」

土煙が宇宙を舞い辺りを包みこむ――そしてその中から猛烈に生え出る下剋城!発進だ!滅禍雷怨!五色の獅子!轟雷怨!合体プロセスは再び、省略された!

「――ピンキータッチでビッグモモから出てこーい!」

「「「「「ハァアッ!!!!!」」」」」

「頼んだわよ、ピンキナーガ!」

「やっぱり思うんだけど・・・」

「なあに?」

「次は合体ロボにしましょ!画面の占有時間がそれだけ伸びるはずよ!」

だが、合体プロセスは省略されることもあるのだった!

「――みんなカバン持ったー?」

「「「「オッケー!!!!」」」」

「「「「「んじゃ、せーの、無頼シンクロン・トランモーフ・マキシマスだし!!!!!」」」」」

「私にいい考えがある!」

「さすが司令官(棒)」

「飛行機だけはカンベンな」

「スンスン!この愚か者めが!」

「お許しくださいソンソン様!」

「――皆の力をレッダーに!」

「はい!」

「ああ!」

「ええ!」

「俺たちを、レッダーを・・・なめるなぁっ!!!!!」

薄いラインが全身に走った次の瞬間、亀裂が入った装甲が、コアが、飛び散り、ビットのように展開し、その間を骨がつなぎ、ケーブルが伸長し、コアパーツ同士が連結!装甲がまるで細胞分裂のように全身を覆っていき、みるみる組みあがり膨れ上がる巨大な姿、赤炎の城、チェンジ・レッダー1。姿はそのままに、巨大ガルビス艦の上半身サイズにまで巨大化したレッダーロボ

「チッ、まだ足りなかったか!いや、これで十分!」

「ええ、行きましょう」

頭部コクピットには4人が登場している

役者はそろった!!!!!

マキシマス・トランスモーフし、ほぼガルビスと互角サイズになったギャル達がオレンジの二刀流の斧、蛇矛、青龍偃月刀、紫のモーニングスター、宝剣を手に手に巨大ガルビスに突撃する。

「どおりゃあ!」

「どっせい!」

「これでもか!」

「喰らいなよ!」

「年貢の納め時だ!」

ガルビスが真っ赤な盾、三番艦ヴォーダーを構える。円の内周上に丸いハッチがずらりと並び、その並んだ小さな円が口を開き、すわミサイルか、と思われたその時、微少な発泡体が次々と発射されギャル達の身体を包み込み、球体でえぐりとるように音もなく消し去っていく!

「リュビー!どこへ消えた!」

叫ぶリリーに帰って来たのは、問えど返ってこない答え

次はピンキナーガの番だ。

「まだよ!頭さえ落としてしまえば!」

「「「「えーい!!!!」」」」

「「「「「セイザー!トゥーン・ツイステッド・パワー・ビート・アタック!!!!!」」」」」

巨大ロボットが解き放つ、ついに完成していた5人の合体必殺技!脈打つような螺旋状のエネルギーが二次元的に表現され、鋭利な平面の切断面となって巨大ガルビスの首に迫った!だが、立ちはだかる黒の双子艦。静かに控えるそれらは、両足の付け根、腰の部分に位置する超新星フラッシュ・マン・ユニットを展開し、超空間への落とし穴、ガルビスブラックホールを生成した!吸い込まれていく二次元の刃とピンキナーガ、たちまちのうちに闇の中に消えていく!

「ああ、ピンキナーガ!」 リリー

打つ手はないのか!

「今度はこっちの番だ!」

レッダーロボが征く!小手調べのレッダービームはブラックホールの中に消えていく。ならばと、ダブルレッダーチャクラムブーメラン!両手首から発された四つのチャクラムを二双に連結し、手首から不規則に回転する二連のブーメランとして投げつける!予測不可能な軌道を描き巨大ガルビスに迫る刃!だが、黒の双艦は動じない。最大限度の軌道範囲を予測して、その全てに対応できる極大サイズのブラックホールを展開し、いともたやすく飲み込んでみせる!

「かかったな、間抜けが!」

ブラックホールが極大に展開し、巨大ガルビスに死角が生まれた瞬間、その背後に移動していたレッダーロボが、止めとばかりに両手で構えた一撃必殺のストームレッドシャインをたたき込む。が、その時!黒の双艦に死角無し!背中に回った相手に対する防御が不動のままに待ち受ける。ふくらはぎ部分から無数のガルビスマイクロブラックホールが、敵の眼前を埋め尽くさんばかりに発射される!必殺の武器も、技も全て飲み込まれ、闇の中へ消えていくレッダーロボ。

「ドジったぜ・・・」

バカな!レッダーロボまで! リリー

残るは、アンバサAと轟雷怨!巨大ガルビスとのサイズ差は約20倍!

「どうする、正面から向かっても届きそうにないぞ!」 

「何か弱点は、弱点はないのか!」 リリー

「姫様―、右腕ですー、さっきからあの青い右腕だけ動いてませんー」

「たしかに、目立つ形をしているがあのフォーク、何もしていない、故障か?」

「バグってハニー!」 テレス

「なんとかしてあそこに取り付けないか?」

「どちらか一方が行くよりも、一斉に事を構えた方がよかろう」

「わかった、みんなの敵討ちだ!」

「一気に行くぞ!!」

「「「「「おお!!!!応!!!!おー!」」」」」

アンバサA・レガシ――閃空剣!

轟雷怨――獣王剣!

「「超アンバサ否素魔悪斗死!!」」

目くらましにするにはもったいない超合体技!!白いエネルギーの波が、容赦なく待ち受けるブラックホールすらねじ曲げゆがめ、両者の力は拮抗する!その瞬間、正面と背後から二機のロボットが、巨大ガルビスの右腕に向かって飛び、フォークのような舳先に取り付くことに成功した!

「やったぞ!」

「ここから本番だ!どうする?」

だが、これは罠であった。動き出す青き二番艦ゾーダ、ぶら下がっていた腕が水平にまで持ち上がり、二機が取り付いた舳先のハッチが開く、中にはガルビスの超高圧強炭酸エネルギーが充填されていた!

ガルビス艦橋のオペレーターが静かに宣告する

「ダイダルウェイブ・アタック!」

ガルビスの非情の攻撃、アンバサAと轟雷怨を猛烈な白い飛沫が包み込む!記憶まで消し去る勢いで流れ続ける白濁液は、両者のボディを表面から確実に削りえぐっていく!無謀か、これは無策か、いやそうではない!5人と5人と1人は、ハッチが開いた瞬間にゾーダに飛び乗り甲板上を駆け抜けて、一気に敵の本拠地、すなわち巨大ガルビスの頭部、旗艦ガルビスの第一艦橋へと向かったのだ!今走っているのはストローの部分だ!

「着いたぞ、だが油断するな、さっきは落とし穴だったが、今度は何をされるかわからないんだからな」

「いざ、突入!」

バーン!ドアは手動だった!非常用だ!

第一艦橋で再び相まみえるアンバサの民とガルビスの民

まさかここまで来るとはな

「ふふふ、泡沫飲料ごときが、随分とはりきったもの」

「それにしても不思議です、あのアンバサになぜここまでの抵抗ができるのか」

「もしやこの男が原因か」 クイーン

「何もしていないはずなのに、なぜかいつも事の中心にいる様子」

「可能性はありますわ」

「このものを生分解評価すれば、アンバサが生き残った謎が解けるかもしれません」

「確かに――五つの世界から来た者、その三つが滅び、残りは二つ・・・ん?アンバサ反応の数は四つではなかったか?なぜ数が合わない」

「アンバサ反応は確かに4地点、4つでしたわ、女王様!」

「ですが、その金髪の娘からはアンバサ特有の田舎臭が感知できません、陛下」

「はっはっは、ドラン王国の偉大さ今頃ここに届いたか」

「だが、アンバサの民であることは確かであろう」

「はい、これまで数々のアンバサ事象を起こしてきたことは間違いありません」

「ならば、一体どのようにアンバサが生きながらえているというのだ、我々が感知できない方法で?そんなことが可能なのか!?」

「アアッ、いけません、陛下!」

「どうした、今更なんだ!」

「アンバサが!アンバサが!」

「ネットを介して、全国どこででもお手軽にお買い求めできる状況です!」

「なんですって!貴方たち、今まで一体何をしていたというのですか!すぐにネットを遮断なさい!ず太いケーブルごとバッサリと断ち切っておやりなさい!」

――床の星間通信ケーブルが引きずり出される。その両端はクリスタルにつながれている

「そ、そんな・・・こんなにず太い物をだなんて」

「それになんだか臭いますわ」

「ヒッ、気持ち悪い」

「動いた!ピクッと動きました!」

やおら、背後のガルビスエンブレムのレリーフから斧を取り外して振り上げるクイーン

「お手本を見せて差し上げます、こうです!ハァッ!か、固いぃ…」

「それに、やはりおかしいのはこの男、アンバサが巣くう辺境の地にありながら、これまで平然と過ごして来るだなんて、並の、並の存在ではありませんわ!」

「ガルビスの恵みを受けていない男なんて考えられませんわ!」

「異常ですわ!我々の常識では考えられないくらいのおかしな存在ですわ!まさか、この男がアレなのでは!?」

「やはり、この男があの伝説のメガネでガニ股のチビ!?」

「それはなかろう。この男はチビでそれなりにガニ股かもしれないが、メガネではない」

「さっきから聞いておれば、アキラの悪口ばかりではないか!もう怒ったのだ!こうなったら、さわるなと言われるようなボタンを片っ端から全部押してやるのだ!」

「まさか、そんなものがここにあるとでも?」

「「「「ええっ!!!!」」」」

「・・・あるのか?」

「いえ、その、ガルビス艦の操艦には非常に微細な操作が必要でして、この者達が操るような粗雑なロボ的な行為をされると、予想も付かない動作をする可能性があると、ただそれだけです」

「そうか、それはそうだな・・・よもや、自爆スイッチなどと言うふざけたものはあるまいしな」

「お喜びください女王陛下!ございます!」

「バカ者―――――っ!」

「行くぞ!全員でかかれーっ!!!!!!!!!!」

それぞれが思いつく限りの全てのボタンを押すアンバサの民。その中のどれかはもはやわからないが、確実に誰かが押したのだった、そう自爆スイッチを!

――爆発、30秒前

「ふふふ、ほほほほほほほほ」

カウントダウンが迫りくる混乱の最中、笑う女王

「逃げるも止まるも皆、自由・・・」

「何?」 リリー

「こうなったらもはやかまわぬ、我等とてガザビ様の尖兵に過ぎぬ。そして、貴様らなぞ、しょせん我らガルビスの似姿として生み出されたまがい物に過ぎん。清涼飲料業界の華やかな未来が待っているなどと思わぬ事だ・・・・・・」

「何を言っている・・・・・・」

「リリー、こっちだ!」

アキラに手を引かれ、混乱から逃れるリリー

「・・・・・・ネットは広大だわ」  クイーンの諦観

「頭はいるか!」

「ここに!」

「孔子苑の土だ!まだあるか?」

「ハイッツ!」

「土遁を連ねて元の世界まで走るぞ!足場くらいにはなる!」

「「「「「応!ドドドドドトン!!!!!」」」」」

土煙が上がると白い砂がまぶされたような輝く一本の道がアキラたちアンバサの世界までつながっていく

「急げ!」

羽毛のように軽いとはこのことか──

小さな体躯を両腕に抱えて走るアキラの胸に去来したのは乙女への最大の賛辞であった。私を運ぶアキラの胸は高まり、ああ今二人の心と体がまさに融けて絡み合い、はち切れんばかりに膨れ上がって、天にもたちまち上らんばかり!まるでアンバサが舌の上で膨れ上がるかのような二人のとろけるようなこの想い――

「──重い」

「え?」

「おんぶの最中にさっきから変に背中でくねくねするから危ないよ!ちょっとはじっとしてて!」

「アキラ、そんなはずかしがらずに、もじもじしないで・・・…私が姫だけに、お姫様抱っこされているというイメージだけでも維持してほしいのだ!」

――時間が止まったかのようなまぶしい輝きが背後から迫り、そして――

――巨大ガルビスが崩壊する最中、事実、時間が止まったのだ




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