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外道照身霊破光線の巻

この短時間で二度も破壊された温泉施設、白泡美人。そこではまた新たな騒動が起きようとしていた

「キャッ!」

「ワッ!」

「やーん!」

どうした、何事だ!

「さっきから、ずっと変な光が胸やおへその下に絡みついて~、あっ!お尻の方も!」

「湯気が反射してるのかと思ってたのに、違うみた~い」

「えっ、それは一体?アキラ!アキラは大丈夫か?!」

アキラを心配して急接近するリリー

タオルの端と端で必死で目元と股間を押さえ足を閉じるアキラ

「どうしたアキラ、足をやられたのか!早く見せてみろ」

グイグイ近づくリリーの胸

「ええい何をしている、死んでしまうかも知れないんだぞ」

脚をこじ開けようとして眼前に迫るリリーの尻

その時、謎の光が光った!

「ん?あれ、これなら大丈夫・・・かな?」 アキラ

「あれは、まさか!外道照身霊波光線…!!」

「知っているのかテレス!」

「ウム、聞いたことがある…心邪なる者の前に輝きを見せるという神秘の光。その光は隠された心の汚れすらも暴くという・・・」

「そんな、これが見えるものは心悪しきものであるだなんて!」

「アキラさま、アキラさまは大丈夫ですの」

アキラを心配して急接近するジャミラ

「具合はいかがですか、おけがはありませんか、お目々は大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だよジャミラ・・・」

悟ったような、諦めたような、がっかりしたような顔をしてアキラが言う

「・・・・・・何も見えない」

自分の曖昧に光る胸元を見て、ふと気づくリリー

「みんな、この外道照身霊波光線・・・が見えているのか?!ということは、我々は全員、心悪しきものだということになるのではないか?!」

「・・・ふ、馬鹿な、私には何も見えないぞ(汗)」 オギン

「そうだそうだ、何にも見えてないんだし!イエーイ!」

タオルを放り投げてセクシーポーズを決めるギャル

「機械の私たちには関係のないことです、そうですね、ムゲン」

「ハイ、プルトサマ」

首を背けて距離を置き、アシンメトリカルな幾何学模様を湯船に浮かべるメトロの一行

今また、湯船に謎の渦が!

アッ、外道照身霊波光線が光った!

「ランゼちゃん、いい加減マント脱ぎなさいよ」

「これが私の裸の姿よ、夕方の明るい時間にお子様に見られても大丈夫なくらいね!」

次々に、堂々と、体をあらわにしだす一同。逆に露わさなければ、心悪しき者とのそしりを受けてしまうのだ

「再びの悪落ちを避けるためならば、片時の羞恥など・・・いや、堂々としていればいいのだ!逆に!いつも通りに!そして、これを逆手に取れば・・・チャンス!お前達、主殿を、アキラ殿を探せ!」 オギン

「はっ、連れて参りました」

「仕事が早いな、褒めてやろう・・・・・・上忍、中忍、下忍よ」

「「「あ、ありがたき幸せ!!!」」」

「主殿、アンバサウナはお嫌いか?ちょうど個室が開いていたのでな、お声がけした次第・・・」

「うん、サウナだね、一緒に行こうオギン」

「主殿と一緒にサウにゃ…っつとと、さすが、さすがは主殿!その居住まいたたずまい逸物のいつもの具合!いつにも増して張り詰めておられる!神経を!血管を!」

自爆と再生を繰り返す無限叡智サイクルを完成させつつあるオギン

カラララッ、ペタン。アンバサウナ、その狭いそれなりに密着した個室内にて

「ふ、汚れを知らぬ清き心の持ち主とはこのことか――まてよ、あまりの自然なご様子、まるでこちらが着込んでいるかのごとき私の身体への無関心・・・これはまさか私のことが眼中に入っていないのでは・・・?いや待て、一緒にとおっしゃってくださったではないか、大丈夫、嫌われてはいないはず、嫌いな相手の裸体など近づきたくもないはず、だがここまで堂々と見せているはずなのに、何も感じてもらえないとは一体どういう了見か――!ハッ!接触、いや密着が足りない、そう仰っているのですね主殿ッ!あの金髪のヤマアラシがいつもしているようにもっと不用意なことをせよと、ええ承知、かしこまりました合点させていただきました!・・・あ、あるじどの・・・その」

「フーッ、ありがと、先に出るね」

カラララッ、ペタン

「――あ」

「千載一遇の好機が!好機が!おのれおのれ、外道照身霊破光線!くーーっ!この外道め!前世が魔人でもこんな非道は許されないぞ!オ・ノーレ!」

サウナ前では、上忍中忍下忍が御館様を慕って集まり、ふざけ合っていた

「汝の正体見たり!」

「ばぁれたか、ばぁれたかぁ〜」

「ねぇ、御館様、出てこないねー」

ギャル達もあきらかそれなりとりま気にはしている様子だが早くも飽きてきた様子

「ねえ・・・コショコショ・・・光ったり光らなかったりしてない、これ?」

「ほら、いまそっち光ってないよ」

「あ、ほんとだし」

「え~、そのウソホント~?」

「ちょっと!やめるし、ウソついてないし!」

「もう、やってらんないし!」

「まったくよー、なんだってんだよー」

「ここはひとつパーッとできるものが欲しいよねー」

「あ~あったあった!」

「このボタンかなぁ~」

「ポチっとな!」

そして、突然!人数分がちゃんと間に合うようにセッティングされた全自動マージャ・アン卓が洗い場、流し場、湯船のあちこちに、ゾーンごとに出現する!司会進行用の防水音響設備も完備だ!室内照明もパワーアップ!もちろんゆったりとした椅子も氷入りのアイスアンバサも完備されている!

「第一回、温泉脱衣マージャ・アン大会~~~~~! 」

「「「「よっ、まってましたぁ!!!!」」」」

喜ぶギャルたちを尻目に、とりあえず強引に卓につかされた一同が一瞬、理解が追い付かず、死んだ魚のような眼を突如現れた舞台に向けている

「やったー!スーパーホーラターイム!」

「今日もウチの豪運が火を吹くぜー!」

「吠え面かかせてやんよ!」

「ホーラ力でまとめてやっちゃえの返り討ちだぁ!」

「血は抜かないから安心して打つべし!あ、サマは無しだよ?」

もうジャミラの出番しかない!

「え?この姿で?この格好で脱衣マージャ・アンを?!」

「残り一枚しかない、最初から限界ギリギリの鉄骨渡りでぶつのがいいんじゃあないか・・・ (どや)」 リリー

「アキラ様も、殿方もおられるのですよ?!これは叡智!叡智にすぎるというものですわ!」

「魂をぶつけ合った仲同士、裸くらい見ようが見られようがどうということはない、心配性ダナ、ジャミラは(ぐるきゅん)」

「心配とかもはやそういうレベルでは!」

画面を埋め尽くして枠にしがみつき「向こう側」に向かって叫ぶジャミラ

「もう、黙ってないで皆さんも何かおっしゃってください!」

―――いいですとも!

アキラの小指にするりと自分の小指を絡めてささやくリリー

「アキラ・・・一緒に全国に行こう!」

「ねえ・・・・・・この路線、このまま十年くらい続きそうな気がするんだけど」

なぜか目をそらしながらアキラが応える

「いいじゃないか、恋あ・・・レンサイが十年続くだなんて幸せなことじゃないか(きゅん)」「アキラ・・・アキラの方こそ大丈夫か?顔が赤いぞ?さっきからずっと!」

すでに初戦の東一局で役満の直撃を受けて敗退し、自分のタオルが脱衣状態にあることを完全に忘れているリリー

「何を恥ずかしがっている!我らは共に乳繰り合った仲ではないか!人ならばみな同じだ、劣情を持て余すことだってあるだろう、例えばベッドの中で!」

なおこれは全裸での台詞である

……シーン

「どうした、私は何かおかしな事を言ったか?」

ふと全員の視線が集中していることに気づくリリー

「どうしたのだ?」

「リリー様、リリー様、こ・ち・ら・に」

「なんだなんだ?その無駄に大きい胸の谷間に隠し持っていたお菓子でもくれるというのか?チョコレートだったならば溶けてしまっているのではないか?!はっはっは」

物陰で、もしょもしょもしょもしょ…………ボンッ!

溶けたチョコレートのようなリリーがあらわれた、コマンド?

「や、やあアキラげ、元気か?いや、やはりここのタオルは質がいいな!それはそうとその先程のはダナ、けして淫靡卑猥で淫らで破廉恥な意味では決してなく、なく!互いに血で血を洗い流すほどの経験を共にし、心の交流を深めあい、そう!互いに互いを大切に思いあう気持ちが高まった結果、ことここに及んでしまったという大人として、大人としての秘密の関係を結んだという意味で!それ以外の!それ以外の意味はけして断じて一切合切ないのだ、よいな?よいカナ?いいでしょ?!ねぇ返事してぇ!!」

「リリー様…言い換えた言葉がまた意味深で叡智ですわ」

チャンドラの口笛が鳴り、アントラが魔法でピンク色のエフェクトをかけてあおり、そして、あはぁ、と横目に見るクレしん笑いのテレスであった




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