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暴走!葬祭少女メイデンとエッタノール騒動

――どこかファンシーな感じのする広い公園のような場所へと飛び込んだリリー達

這々の体で、チューゲンから逃げ出してきたリリーたち

今度はどこだろう、なんでいっつもバトル、バトルになるんだろ アキラ

「どうやら森の中のようですわ、ひとまず休憩にしましょう。アキラさま、今はインスタントしかありませんが・・・おや?これは、ウドのコーヒーですわ」

「苦い!こんなの飲めないよ!」

「まずはここのアンバサを探さないとだな」 リリー

「確かにー」

「何が起こるかわからない」

「まさに妖怪道中記・・・」

端から見ればピクニックに来てお茶をしているのんきな5人と一人であるが・・・そこへ!

シュルルルルル・・・カッ!目の前の木の幹に突き刺さるカード

「うわ!」 アキラ

「え!」 チャンドラ

「びっくりしたー!」 アントラ 

「なんだ、カッツェカードではないか」 リリー

「ご存じなのですか?!」ジャミラ

「なんだ知らんのか?飛んできて刺さるカードといえば、カッツェカードしかないではないか。」

何の躊躇もなくピッ!と、ベルクカッツェの顔が描かれたカードを木から抜き取るリリー

「また、そういう慎重さからはるか遠ざかったようなことをする」 アキラ

「さすが姫様、恐れを知らぬ豪胆な振る舞い」 チャンドラ

「傍若無人だよねー」 アントラ

「アーバンチャンピオン・・・」 テレス 

「『おゆるしくださいそうさいえっくす』ん?どういうことだ?――まさか!葬祭少女メイデンを知っている者がいると言うことか!」

それは、葬祭少女メイデンでの叡智なブンドドはお控えくださいという紳士淑女へのお達しであった

が、しかし・・・

「葬祭少女メイデン!!!!!」

――今、何かに火がついた!

「え?」

「ん?」

「フム!」

「アッ!いけませんリリー様のおかしなスイッチが!殿方の前でそんな…」

「何という奇遇!何たるや奇跡!まさにアンバサのお導きだ!」

「なんなのそれ?」 アキラ

「王国で私が今も夢中に・・・ンンッ、いや幼き頃に!夢中になった淑女の嗜み、リアルな、そして可愛らしい手のひらサイズの愛玩少女の名だ。国際色豊かに造形される万国の葬儀に臨む少女の像、黒と白を基調とし、清廉とした中にも静かに熱く燃えるような思いを感じさせる名作キットの数々!見ろ、これが最新作のカタログ!この葬儀に臨む黒衣の女学生の清楚可憐な姿はどうだ!凛とした佇まいをみせながらどこか儚げで、それでいて一人の女性としての信念を感じさせる!やはり女たるものこうでなくてはならん!」 リリー

「言ってる本人と、だいぶ違うような…」 アキラ

「シッ!乙女の純情に水を指すものではありません!メッですよメッ!」 ジャミラ

「キット自体は、何、小さな金切りバサミさえあれば誰にでも作れる簡単なものだ。まあ色を塗るとなると、そこから先は闇が深いのだが…」

「プラモデルみたいなもの?」 アキラ

「なんだ?興味があるのか?そうかそうか、お前はなかなか筋がいい、見所のあるものは私は好きだぞ?!実は、様々な工房から販売されていてな、中でも私のオススメはこのコトブキ印のものだ。ここはたまにドラゴンのキットなど売ったりしてな、少女を売った金でドラゴンを作る工房、などと言われておるのだ。」

へ~

アキラのすごく気のない相づちにまったく気が付かない燃えさかるリリーの魂

「なに?ドラゴンの方が気になるだと、わかるぞ!ゾイ・ドラゴンシリーズはまさに伝統と革新を共に備えた名作ばかりだ!玉に瑕があるとすればだな、ディテールと迫力を追及するあまり商品のサイズが大きすぎたりすることかな、うーん…箱が大きすぎて部屋の入り口でつかえてしまったこともあったぞ、ガジラス・ジ・オーガーとかな!あっはっは・・・まあ、闇商人から密かにメイデンサイズの拷問器具セットを仕入れ、それを使って、私を辱めた輩に夜な夜な呪いの責め苦を与えたりもしていたのは、ここだけの秘密だ!」

「十分、闇深いよリリー」

「あー愛すべきキットの数々たちよ、待っていてくれ、私は帰る、必ずお前たちの元へ帰るぞ!」

「王国の民の下へとかじゃないんだ…にはは」 アキラ

「聞いてくれアキラ!」

リリーがアキラの肩をガッシとわしづかみにし、今までには見なかった感じの目を爛々と光らせて言い放つ!

「それはそれ!これはこれ!」

「そだね」

深く追求するのはやめようと誓うアキラであった、そしてまだもうちょっと続くリリーの魂の叫び

「ふ・・・・・・新発売のキットを手に入れるだけでも、店に客が殺到して一苦労。限定版のモデルを手に入れる為ならば、どれほどの“努力”を重ねたことか、なにしろ店に入るのでさえ抽選がなされるほどの人気なのだ。あぁ、あまつさえ一度売り切れたら二度と再販しないというストイックな商売をしていてな、うっかり買い逃したものを手に入れるため、泣く泣く、闇商人から高額で入手したこともあった……あれは辛い思い出だ…我ながら本当に罪なことをしてしまった…私は……私は、人として大切なものを失ってしまった、ああ万国の同好の士たちに面目が立たないっ!どうしても!どうしても欲しかった!ごめんね。許してなんて言えないよね。ひどすぎるよね!!!」

聞いてるふりして割と人の話を聞いてない時があるアキラが、ふと辺りを見渡してキレイな木の実を見つける

「へぇーここには、木の実があるんだね―」

「なんと瑞々しい木の実だ!」

「アンバサの代わりににはなりませんが、とりあえずこれを!」 

ささっと魔法で木の実をお取り寄せしたアントラがローブでキュキュッと磨いてすすっと手渡す。やはりここは役得、見つけたアキラが一番に食べるのだ

「あむっ!・・・んん、ぁレ!!!???」

一口かじったとたん、突如フラフラになるアキラ

「クンクン、これは・・・?!エッタノール!別名、叡智の実とも呼ばれるあの禁断の!」

「エッタノール!?」

「叡智の実?!」

エッタノールを食べて酔っ払い、フラフラになるアキラ

「ふわ~ん、顔がゆれて力が出ない~」 

酔っぱらって倒れるアキラ

「エッタノールを口にするとエッなのか?叡智になるのか?」

「いえエッタノール自体はエッでも叡智でもございません。エッタノールを飲んだあとに訪れる陶酔感こそが、叡智なのですが…」

「ですが?!」

「男女差がございまして、女性については叡智なのですが、男性の場合は…その…」

「男性の場合は?」

「それは…」

「どうした早く教えろ、男性がどうした!」

「機能的……ンッ、男性の機能的な問題ですわ!」

「機能的とはなんだ、機能とは一体?」

「男性機・・・・・・能とは…、その…男性の男性自身が機能するかどうかという問題でして…」

「機能しないとどうなる?」

「リリーさま、もしやわかって聞いておられます?」

「い…いや…わたしは何もわかっておらぬ、だから教えてほしいのだ!男性の男性自身が男性の機能的に機能しないとはいわゆるいわばいかにどういうことなのかを!」

「せ…せいし…ンンッ…精神的な要因で起きるとも聞いたことがありますわ。ですが、今回の件については、に…にく、肉…ボッ…肉体的な問題で間違いありません」

「肉体?男性の男性自身が男性の肉体機能的に肉の一部が機能しないだと?」

「リリー様、本当にわかって聞いておられるわけではないのですよね?!」

「あ…当たり前だ…わたしはただ純粋にアキラの肉の体を心配して…それよりも続きだ、さあ、はやく!」

「エッタノールを飲むと全身が陶酔感で満たされます」

「ふむ」

「その陶酔感とは全身に血が駆け巡ることでもたらされます」

「ふむふむ」

「ここまでは叡智でもなんでもございません」

「なんだ、では困ることなどないではないか!」

「え~っ、ところがですね、男性の場合は、男性の男性自身が肉体機能的に機能しないということが同時に起きてしまうのです……」

「なぜだ!?全身の血流が良くなるということは、いわばより健康になるということではないか!なぜ男性の男性自身が肉体機能的に機能しないなどということになるのだ!」

「リリー様これが最後ですよ?もしわかっていて質問されていたら、あとでそれなりにひどい目にあっていただきますよ?」

「し…しらない……私は無実だ潔白だ純潔だ!ただひとえにアキラの生肉の体を案じてだな…!」




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