解説
1.どうして火星で酸素を作れたのか
火星は96%が二酸化炭素です。そうなんです。人工酸素ってもう作れるのです。マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究陣が中心になって開発した酸素発生器「MOXIE」を火星に持って行き、1年間実験し2022年に成功しました。
もうわかりますよね。人工光合成が出来るという事はどういうことなのか?
地球温暖化が解決します。
日本のマスメディアって本当にサイエンスに興味あるのでしょうか。非常に残念でなりませんね。ただしこの技術は火星限定です。なぜなら一回二酸化炭素と一酸化炭素に分離して一酸化炭素を排出するからです。
二酸化炭素→酸素+一酸化炭素(800℃の熱が必要)
こういうことになっているのです。ちなみに確かに火星は96%の二酸化炭素がある星ですが3%の窒素もある星なのです。酸素は0.1%しかありません。この0.1%分が100倍になり無限大に増やせることが分かったのです。
2.平均気温-63℃の火星でなんで生活できるのか
簡単です。コロニー内で与圧されていているからです。つまり航空機と同じなのです。
3.放射線が直で降り注ぐ火星でなんで生活できるのか
簡単です。実はチェルノブイリ原発内で「放射線を食うカビ」が発見されたのです。もう一回言いますよ?『放射線』を『食う』のです。ということは宇宙服を脱いでも……。そうなんですよ。もう放射線障害を負わないのです。
ということはもう分かりますよね。原発って簡単に廃炉出来てしまうということに。
もっともチェルノブイリ原発事故から10年はあちこちで奇形の動物が見られました。そういったことがここ約25年無くなったのはどういう事でしょう。動植物たちは放射線に対し耐性があるものだけが進化したのです。カビでさえも。生物ってすごいでしょ。過酷な状況下でも環境に適応してしまうのです。そして2019年に人類なら数十秒で死亡すると言われるエリアでカビが見つかったのです。これが「放射線を食うカビ」でこれを化学的に人工大量生産すると……。
そう、廃炉が簡単にできるし火星にも移住出来てしまうのです。
チェルノブイリ原発事故は人類最大の過ちでした。しかし「自然」はそんな人類の過ちを赦すかのように生命が進化したのです。
主人公は日本のどこに降り立ったのでしょう。その時もう福島第一原発はもう廃炉済みでしょう。
科学は偉大なり。
4.火星で酸素が作られたという事は……
そうなんです。酸素(O2)が大気に上るとそれはO3というものに変化します。これが「オゾン」って奴です。ということはこの物語の主人公は実は火星でも大気圏から抜け出しているのです。オゾン層が出来るという事は……。そうなんです。もう直で放射線を浴びないという事です。大気圏が出来たことで火星が温暖化します。それでもまだ寒いですからコロニーの外に出るにはまだ早いという事です。アラスカ州とかシベリアの極北に居るようなものですし重力問題は解決していません。オゾン層まで作れても重力が地球の3分1である以上軽々しくコロニーの外には人類は出られないのです。
極北に等しいという事は植物工場が必要と言う事です。でもこれは既に20世紀中に実現しました。ただし電気代が地球の大地で生産される作物の10倍です。それでも広大な火星で大量生産したら?そういうことですよね。大量生産で価格は10分1以上に下落するということです。
5.コケがSAF燃料になる!?
そうなんです。他には藻類ですね。そういった過酷な環境にもコケは生き延びるのです。コロニーの外にある火星の植物。それはグリーンランドなどにみられるコケです。微細藻類ということはSAF燃料だけではありません。バイオマスプラスチックもです。ちなみに医薬品もです。もうわかりますよね。火星で進化した藻類は地球上では見られない藻類へ進化しそれは「新薬」となるのです。新薬ということは……。
ガンも、うつ病も、はては心筋梗塞や脳卒中も統合失調症も
全部完治する病気となり人類の平均寿命は100歳を超えられたのです。
※SAF: Sustainable aviation fuelの略。直訳すると「持続可能な航空燃料」だが一般的には「航空バイオ燃料」と言われる。2025年に日本ではコスモ石油が量産を開始した。
6.ソニックブームが起きない超音速旅客機!?
そう、いったんは人類の夢が破れたSST。つまりコンコルド。その夢が超低燃費かつ高速で運行を再開する。ただし離発着の時だけは通常の旅客機と同じスピード。それが宇宙にまで到達し気軽に星間旅行出来るようにまでなったのです。もちろんファースト・ビジネス・エコノミーの3クラスでの運行。
7.電子シェード
なんどボーイング787の窓は電子シェードと言ってボタンを押すだけで窓が真っ暗になります。もちろん未来の宇宙船も大気圏突入時は電子シェード使用でしょうね。
8.亜音速、超音速、極超音速、超光速
亜音速は通常の航空機で乗ることが出来ます。マッハ0.8程度(800km/h)でエアバスA380などどの航空機でも余裕で出せます。しかしマッハ1.0以上はコンコルドを最後に旅客機ではありません。つまり速度という意味では旅客機というのは約60年前から変わってないのです。ただし戦闘機は普通に超音速を出します。極超音速に達するともうロケット発射時までの速度になります。マッハ5以上になります。光速に達するだけでも無限大のエネルギーが必要になり現代のエネルギーでは不可能です。なんでそんなものが現実になったのか。ダークマター(暗黒物質)をダークエネルギーに変えたからである。2003年にアメリカの観測衛星WMAPの観測結果から導き出された。実用化にはあと2003年当時から約60年ほどと言われている。ということは後約40年後である。
9.「赤色惑星ロス128b」とは?
地球に最も近い惑星にして生命体が住んでいるとされる惑星の事です。星座で言うとおとめ座に当たります。赤色惑星ロス128bは地球から11光年先なので人類が光の速さで動く旅客機を手に入れても片道11年。文字通りの片道切符となります。この物語では片道11年分の食料はどうするのか? ということから「無人探査機」にしています。幸いエネルギーはブラックマターから得られるのでロボットなら可能でしょう。
10.NTSB
この物語では一切触れてないが「機械」に100%はないので一応説明する。万が一宇宙でも事故が発生したら所属はこの機体はボーイング製なので地球連邦アメリカ自治区に所属するNTSBという機関が調査する。まあもうこの時代になると航空事故や宇宙航空事故なんてほぼ死語なのだが。なおエアバス機だとBEAという機関が調査する。
11.火星の1日は24時間37分。ということは?
そう、火星で地球の1年は火星だと1.88年です。ここで疑問が生じる。仮に火星の地球化を行うと……人類は火星に行くと寿命は倍になるのであろうか。ならないんですって! 生命体の平均寿命時間は変わらないので火星にずっと人類が過ごすと人間の寿命は日本の平均寿命と同等だとすると87地球年×1.88=163.56火星年。ということで平均寿命時間761,322時間で変わらない。結局地球歴でカレンダーが動くだろうし火星時間に直すのも面倒だから人類は結局短時間(長くても2~3年程度)しか火星に居る事はないでしょう。それに24時間与圧された空間にいるとなると宇宙船に居るのと同じなので密閉感覚でつらくなるだろうしね。
※筆者注:87地球年×1.88=163.56火星年=761,322時間 日本人が火星に行っても「平均寿命時間は変わらない」という事。日本人の平均寿命を87歳と仮定して計算。
12.火星にも四季がある!?
はい。やろうと思えばあります。25.19度傾いて回転しているのでテラフォーミングするとなんと四季が生まれるとのことです。なお地球の軸は23.44度になります。もちろん南半球に行くと四季は逆になります。