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詩[思索]

彩色兼美

作者: 日浦海里

前を見て、歩く

建物の影と差し込む光

白と黒のモノトーン

規則正しく繰り返す

模様が編まれた石畳


一步踏み出す


縦長の糸と遮る横糸

重なり合ったストライプ

陰と陽に塗り潰されて

踏み固められた障子堀


肌に貼り付く音のない音

鼓膜を叩く不協和音

雑多に散りばめられていて

にも関わらず静寂で


格子が揺れてく


糸が波打ち模様が変わる

視界を掠める二つの棒切

時折壁のように立ち塞がり

煩わしいけど模様を変える


音が消えてく

色が褪せてく


変わらず波を揺らしてみても

モノトーンに沈んだ視界は

騒がしいのに何も伝わらず

だけどメトロノームのように

規則的に変わりもしない


溢れる何かに溺れそうなのに

足りない何かに喘いで藻掻いて

沈みたくなくて顔を見上げたら


遠くに広がる


空は青かった


手を伸ばしても

届きはしない


けれども

空は青かったんだ

いつから俯いてたんだろう

こんなにも空は遠いのに

手を伸ばしたくなるのはなぜだろう

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― 新着の感想 ―
[良い点] だけどメトロノームのように 規則的に変わりもしない ⬆ ここまでに打ち立てられた無常感 自分だけがそれを知る失望と矛盾 置いていかれるのか 鎮座して静観しているのか 青空のように 心はなぜ…
[一言] モノトーン、と、ストライプ。 格子で囲まれた世界から一歩踏み出す勇気があれば、いつかは遠い空にも届く気がします。 ラストの「空は青かった」以降が心に響きますね。 手を伸ばすことを諦めさえしな…
[良い点]  日々の暮らしに前を見る。俯きにも地を配する柄は整然と造られ、灰色の中にも彩りを持つ事に気付かされるが、ふと見上げた空の青に日々の配色が濃淡だと理解する。  オフィス街のひと間に哀愁感漂う…
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