HAPPY NEW YEAR1
あけましておめでとうございます。現在カクヨムコンに肉目当てに小説を投稿しておりまして、毎日更新でテオドールのその後と新年のあけおめ小説を投稿しています。新年の番外編が完結しましたので、なろうの方にも掲載します。今日中に3話投稿予定ですので、この1話目からお楽しみください。
テオの話も番外編完結後に整えて掲載予定です。
テオドールの番外完結までは連載中にしておきます。
連続する轟音と共に天に煌めく星の華がいくつも咲いた。
「苦労した甲斐があったね……」
リアムはソフィアと身体を寄せ合って、王宮のバルコニーから花火を眺めた。
凱旋門および神殿の爆破事件も風化していない。火薬を使う事に慎重な向きもあり、調整には大変苦労した。
だが、爆破事件を上書きしたいと訴え、その苦労が実って、年越しのこの日こうして花火を打ち上げることができた。
「明けましておめでとう。婿殿」
ソフィアとリアムの間にぐいっと割り込んできたのはその年の春に義父になる予定のサミュエルだ。
「あ、おめでとうございます。義父上」
「お父様!」
「近すぎんだろう。式はまだ先だぞ。俺の目の前でいちゃつくのはやめてもらおうか? 」
「やることやってないのか? とか言っといて、なんで邪魔するんですの?! お父様!」
「これは別の父心だ! なーんかむかつく!」
「そんな子供じみたことを言ってるから、お母様が、一緒に来てくださらないんですわ」
「グレイスはイェルドの嫁に聖誕祭からの行事準備の引き継ぎをしてるだけだ……ぞ。多分。お前の結婚式前には合流するさ」
「え……それまでい、ごほん。義母上にお会いできないのは残念です。ソフィア、そろそろ年越しのダンスが始まるよ。義父上も中に入りましょう」
11月末頃から始まるフォルトルの聖誕祭に絡んだ祭は、家族単位で食事を摂ったり、あるいは神殿で祈りを捧げる行事が多い。ただし年越しは友人達とご馳走を食べてダンスをして騒いで過ごす。
だが連合王国は広く、ベルニカは全く違う風習があった。
それがこの花火である。
元々は質が悪くなり、戦では使えなくなった火薬を何かに使えないかという研究から始まったらしい。
だが、今や年々発展して年越しの夜、美しく咲き誇る華となったそうだ。
ソフィアから話を聞いて、リアムは年越しの祭にそれを取り入れたのだ。
共通の敵がいなくとも、異国同士だった連合王国諸地域の親睦と相互理解を図りたいから、文化的に一番かけ離れたベルニカのそれを取り入れたいは、本音ではあるけれど、誰もが納得するためにつけた後付けの理由だ。
きっかけは、ソフィアが花火のことを顔を輝かせて語ったから。
彼女の喜ぶ顔を見たかったのだ。
花火は公式行事とはいえ、当日はこちらに役目はなく、身内の気楽な集まりである。
すでに大晦日のディナーはひと段落して、花火を楽しんだ。ソフィアも大変喜んでくれた。
義父の邪魔は入ったが当初の目的は果たした。
この後は部屋に戻ってメルシアのダンスを踊るという事になっている。
ダンスといっても2人1組の舞踏会のダンスではなくて、輪になって踊る類の物である。
どうやら最後までバルコニーにいたのは自分達だけだったらしい。
すでに、エリアスとケインとレジーナ、ベアトリクスとヴィルヘルム、レオンハルトとジョヴァンニ、それにライモンドが部屋の中にいて楽団がダンスのための曲の準備を終わらせようとしている。
だがいまだに誰も輪も作ろうと動いておらず、なんとなくお互いに様子を伺いあっていた。
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