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最弱と呼ばれた勇者「最強」と成る  作者: 伊良馬 狂
少年期編
8/8

第七話 勇者

リアルが忙しくて、遅くなりました。これからもこういうことが続くかもしれませんが、ご了承ください。

今日は町の図書館にでも行って、本でも読もうと思う。珍しく京華が行きたいと言ったので一緒に行くことにした。京華もお母さんと何回か町には降りていたらしく、普通に歩いている。

しかし、視線を感じる気がする。まぁ両親がSランク冒険者なら期待されるのかもしれない。そんなに見られると照れてしまいますわ!ぅふん。

なんか京華に冷たい目で見られている。心でも読まれたか?


それからしばらく歩き図書館に着いた。京華も本に興味があるらしくバラバラで回ることにした。

と言っても何回も来ているので最近は気晴らし程度にしか来ていない。


「お母様!あの本取って!」

「はいはい。我儘な子ね。」


珍しい人が居るもんだ。あれはこの国の王族だ。

俺は、異世界の王族や貴族に性悪なイメージがあるのであまり関わるのは避けたいところだ。

そう思っていた次の瞬間。


「危ない!」


その子がぶつかってきた。


「だから危ないって言ったでしょ?すいませんウチの子が。」


なんと性悪だと思っていたのに全然いい人だった。俺は慌てて立って謝った。


「いえ!頭を上げてください。ほら怪我もありませんし、」

「ほらヒナも謝りなさい。」

「ごめんなさい、、、」


よく見ると可愛い顔をしている。俺と同じぐらいの年だろうか。

しかし、名前がヒナだと?この世界に来て妙に前世の人の名前を聞く。それも仲がいい人限定だ。


「どうかしましたか?」

「あ、いえなんでもありません。では僕はこれで、」


どうやら考え事をしていたら見ていると勘違いされたようだ。さて、今日はもう京華を連れて帰るとしよう。


この時の俺は、あの子が未来の仲間になるなど到底知る由もなかった。


ーーーーーーーーーーーーーー


半年程して俺の剣もとても上達してきた

剣道をやっていたが、その時とは段違いで上手くなっている。

お父さんが元勇者だし、当たり前なのかもしれない。

勇者には一人一つ武器が与えられるらしく、お父さんは鬼人なので、武器は刀であろう。

勇者に武器が与えられるというのは元々この家にある本にも書いてあった事だ。

つまり、俺は細かく言えば刀の稽古をしていることになる。これは最近知ったことだ。

剣の振り方が似てると思ったんだ。俺が稽古で使っているのは竹刀だから刀だと思ってはいたが、剣の可能性も捨てきれはしなかった。

だからといってそんなに気にすることではないはず。


「京。お前最近上達してきたな。今まで真面目にやってなかったんじゃないか?」

「ソンナコトナイヨ。」

「本当かどうか怪しいが。よし!ちょっと待ってろ。」


なんだろうか。いきなりそんなことを言うとは、お父さんらしくない。


数分後。お父さんが持ってきたのは真剣だった。五歳の頃に俺を助けた刀ではなかったが、しっかりとした真剣だ。


「これを持ってみろ。」


そう言われ持ってみる。


「おんも!」


想像していた何倍も重かった。お父さんはこれをいつも振っているのは?筋肉エグすぎやしませんか?


「やっぱ重いか。京にはまだ早いか?」


多分煽っているつもりはないんのだろうがなんかムカついたので、力を振り絞って刀を抜いてみる。

普通の刀より刀身が長いので、多分この刀は太刀だろうと俺は予想した。


「俺はこの刀をあまり使わないが、家に何本か置いている内の一本だ。京には太刀が合うと思ってそれを持ってきたんだ」


なるほど。力ずくで持ってみたが扱いやすそうだとは思った。


「振るのは難しそうだし、また今度だな。」

「チクショー!悔しい。」

「悔しいなら強くならないとだぞ。」


お父さんの言う通りだ。

だから、陽菜やお姉ちゃんを置いて俺は死んでしまった。最近は剣の稽古も昔より真面目に取り組んでいる。

まぁその成果が出て今日刀を持たしてくれた。

だが、やはり俺は魔法を使いたい。確かお父さんが角に魔力があると言っていたな。今度使えるか試してみよう。


俺は、稽古が終わった後、刀が置いてある場所に向かった。思っていたより刀がある。ざっと二十本はあるんじゃないかこれ。

というわけで色々触ってみたところ、お父さんが持ってきた太刀は、重い方だった。

やってくれたな。なにが早いだ。全然振れる刀あるじゃなねぇか。

とりあえず一本振ってみた。すると前にあった木の箱が切れ、壁には傷が付いた。


「・・・なるほど」


この刀は だった。

お父さんがあの太刀を持ってきた理由がわかった。あの太刀の刃はとてもボロボロだった。多分、切れ味は他より悪いだろう。あの刀は練習用の刀だ。

最初から切れ味の良い刀を使っているとそれに慣れてしまい、違う刀を使う時、ものが切れないことがある。

お父さんはそれを防ぐためにあの切れ味の悪い太刀を持ってきたのかもしれない。あの太刀が重いのも納得が行く。

他の刀も見てみる。それらの刀は俺が振った刀には無い紋のようなものが描かれていた。


「もしかして...」


俺は今日の昼使った太刀をまじまじと見た。しかし、紋のようなものはなかった。

紋が付いた刀は沢山あった。

武器の職人というのは自分の造った武器に紋を描き、自分の物であるという証拠を残す。

そうする事で、もし自分の紋が付いた武器を使った者が英雄になった場合、武器の職人の所に注文が増えたりするのだ。

だが、こんないい刀に何故、自分の物である印の紋が付いていないのだろうか。欲がない可能性もあるが、多分紋が付いてない刀は売れない可能性がある。なぜならその刀を造っていない人が自分の物と言い放題だからだ。

なら、何故この家には、紋のない刀があるのか。

しかも、紋が付いた刀より俺が振った刀の方が質がよく見えた。紋が付いている刀に比べて、紋がない刀は刀身もしっかりしていて、持ち手には使い古した後があるがその分の刀身がボロくなっている訳では無い。なんなら新品同様の刀身である。

紋が必要無いということは、売る気が無いことは確定だ。てことはお父さんは刀を買っていない。旅をしているので発注ではないだろう。

数十秒程考えてみる。


「旅の仲間に刀を造れる人が...いた!?」


俺は、自分の部屋に戻り、今日考えた憶測をノートにまとめた。

多分、今日の昼使った太刀と俺が試しに振った刀を造った職人は同じ人である可能性が高い。刃はボロボロでもどちらも刀身や持ち手はしっかりしている。

そして、その二つの刀の造り手は武器を造れる勇者。

これが本当ならば、俺はその人に武器の製造を頼みに行きたい。お父さんを同じ四代目の元勇者のはずなので、Sランク冒険者の十二人の中にいる可能性が高い。

ノートをまとめた後、筋トレと少し魔法の練習をして、眠りについた。

来週に出せればいいな

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