見極めは大事。

作者：青柳

5本目。良ければ見てやってください。

先日リリースした、新バトルフィールド。

タイムアタックで、ソロでクリアするなら想定は10分程度。

腕の良い人なら5分前後でクリアされる事もある。

30人パーティーの場合は45分程度に設定されています。

入場人数によってボスの強さは変わります。

で、貰えるバトルポイントは人数が多ければ多いほど利があるように設定されています。

因みにこのバトルポイントは専用の武器・アバターに交換可能。大型アプデで毎回かっこいいデザインの武器やアバターに入れ替えています。

ユーザーに結構人気のあるコンテンツなので、力をいれています。

だけども、チートというのは必ず出現します。

そこの見極めが大事、ちょー大事。

あ、バカっぽくなった‥‥。

まぁ、そんなわけで、今回も怪しいプレイヤーが複数出現しました。

「たかしー的にどう思います？」

と、うちのお気楽イケメンPこと、松田さん、下の名前忘れた。

から、ここ一週間のユーザーのSNS投稿を眺めながら聞かれました。

「いやー？チートだったら5分もかけないっすなーこの人は多分いつもの人だと思いますけど‥‥こっちですよねぇ、問題は」

複数のユーザーがアップしているソロプレイ動画を見ながら答える。

「ですよねー‥‥とりあえず、さわのんにお願いしましょうか」

「さわのん、ご指名ー」

「うえっ！？」

再来週にアップ予定の新アバターのチェック中だったさわのんは、変な声を上げた。

「うちで一番上手いの、さわのんだもんね？」

「そうなんです、この子この前のスマ◯ラ大会で20人抜きしてますからね」

社内のゲーム大会スマ◯ラで参加者全員薙ぎ倒して優勝しまして、商品券5000円分貰ってホクホクしてました。

「それとこれとは違います！」

「まぁ、こっちのプレイ動画の人、多分いつもの人だと思うんだけど、問題はこの人なんだよね」

松田さんはさわのんをスルーしながらカチカチとマウスをクリックする。

そう、ユーザーの1人は常連で、毎回検証に上がるが、特定されれば、あぁ、この人はいつもの人だ。と、なるレベルの腕前。

なので、存分に楽しんでくれ、しかし次は更にボスを硬くしてやる！

と、ボス担当と企画・運営の連中が意気込むけど、毎回一週間くらいでこっちも驚く最速タイムでクリアされるので、ボス担当も企画・運営の連中が意気消沈するまでがセット。

「ねー？縛りプレイかな？って、思わなくもないんだけど‥‥クリアタイムが2分っていうのはねぇ‥‥きょんさんには？」

いつもの人も縛りプレイをするけど、そういう時は2人とか3人パーティーでのプレイ。

検証対象には上がるけど、びっくりするのは、全員、ほぼ初期装備で武器のみ最新でエンチャントはMAXの99。デバフ掛けまくりの脳筋スタイル。

もうね、あれはね、検証作業に入った全員からこの人達は放置でいいと思う！と言われるレベル。

「どっちも特定依頼出してるんですけどね、実装したばっかなんで、人数が‥‥」

「この時期はねぇ‥‥」

きょんの方をチラ見してみれば、どんよりした空気を醸し出していた。

特定に時間掛かりそうだなーと、松田さんと頷き合う。

「装備は2パターンね、どっちもソロだから、頑張ってね」

とりあえず動画の通りの装備を用意して検証作業に入ってもらう事にして、さわのんの肩をポンポンと軽く叩く。

「じゃあ、さわのんよろしくね」

と、松田さんが爽やかイケメンの笑顔で言いました。

さわのんはものすごく、嫌そうに頷いておりました。

その後、きょんの頑張りにより、1人はいつものプロゲーマーレベルのユーザー。

もう1人はチートしてました。

装備強化数値がこっちで設定している総合計396をはるかに超えていたのでチート認定。

垢BANです。

今回の語り部:たかしー(以下略)

その他の人達。

松田さん:爽やかイケメンプロデューサー。あだ名は特になし。とある女性社員からまっPでもいいんじゃね？と、適当に言われるけど、松田で！と拒否している。

たかしーには下の名前を忘れられてる人。

さわのん:部署内一のゲーマーなので、チート検証はいつもこの人が担当しています。