寺にいた何か
あれ?みっちゃんまだ見つけてないよ〜!
なんだか楽しそうな声が寺に響き渡っていた
退屈な夏休み、僕達は毎日寺でかくれんぼを楽しんでいた
喉が渇いたとかんたがかくれんぼを諦めた
梅の木の下ではっちゃんをみつけた
しょうが急に僕達を呼んだ
路肩に赤い自転車をとめその傍に女の子がいた
にんまりと笑ったそいつは人間ではないとわかった
一目散に僕達は逃げた
ルルルルル〜と歌う声が後ろから聞こえる
走るしかなかった、そいつから逃げる為に
やっと近所の家に着いた時には皆汗びっしょりだった
くるっと後ろを向いたが何もいなかった
みっちゃんが呟くように言った
次からは別の場所で遊ぶようにしよう
けたたましく笑う声と歌が今でも脳裏に残っている
寺にはもう近づかないようにした
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