表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神のいない世界  作者: ウニ
裏 表
39/64

新たな疑念

 








「機械炉…?」

「そ、機械炉。この国の心臓部と言っても過言ではないモノだ」

 悠は小首を傾げながら、斑目の言った炉心について聞いたことがあるか思い出そうと首を傾げたが、悠自身も何度か国が所有している施設について調べたことはあったが、機械炉というものは見たことも聞いたこともなかった。

「機械炉はね、この国…というか世界を支える機関、らしいんだよね」

「…らしい、ってことはお前にも機械炉が何かわかってないのか」

「まあ、俺もただの公務員みたいなものだからね。さすがにそういう大事なことまでは伝えられてないんだぜ」

 斑目が肩を落としながら、落ち込んでいるフリをしているのを横目に、悠は機械炉のある場所を地図で調べる。

 機械炉はちょうど京の中心部にあるようで、一般人には近づくことすら難しい場所にある。

 だがそこで、ひとつの疑問が脳裏をよぎる。

 仮に斑目の情報どおりの場所に機械炉があるとして、その場所は地図上では国会議事堂がある場所なのだ。

 1つの場所に国の重要な施設を2つ設置するというのは正直考えられない。

 考えられる可能性としては、斑目が悠を騙そうとしているか、斑目自身が偽の情報を掴まされたかのどちらかだろう。

  悠の考えがわかったのか、斑目はイタズラを思いついた悪い子供のような顔で笑う。

「この情報は俺が自分で調べたものなんだよね。だから、誰かに騙されてるとかって訳じゃあない。あとは、俺が悠くんを騙そうとしてる、っていうのも、もしそれが事実だとすればもっとマシな場所を指定すると思わない?」

「まあ、確かにな…。けど、そうなってくると色々おかしいことがあるだろ」

「そうなんだよなぁ。まあ、それも含めてこれから調べていく予定さ。…ああ、あとこれ情報の報酬ね」

 斑目はカバンの中から新たに封筒を取り出すと、悠の目の前にある机に置いた。

「じゃあ、俺はそろそろお暇させてもらうから、また今度近いうちに会おうぜ、ゆーくん」

「…次は連絡してからきてくれ」

「ははっ!努力はするけど期待はしないでくれ」

 悠は斑目を玄関まで送ると、リビングへ戻り斑目が机の上に置いていった封筒を手に取り封を開ける。

 中には1万円が10枚まとまったものが5つ入っていた。

 それを封筒に入れ直すと、終始無言だった荒崎に視線を合わせた。

 荒崎は何かを考えるように床に座り込んで、空を見つめている。

  悠はそんな荒崎に声をかけると今後の予定を伝えた。

「…おい、今夜から狩り再開するから。お前も来るなら準備しておけ」

「…はい!分かりました!!」

 荒崎は悠の言葉に反応し顔を勢いよくあげると、駆け足で自室まで戻っていった。

 斑目も帰り、荒崎も自室へ戻ったことで静かになったリビングに1人残っている悠は、封筒をキッチンの戸棚の中にしまうとクッションを手に持ち窓際に横になると目を閉じた。



 *



 夜になり、辺りが暗くなる。

 悠は荒崎と共に、人気の無い道をプラプラと歩いていた。

 この時間になると、機械魔獣や調律師を恐れて一般の人間は外に出なくなる。

 そのため、悠も荒崎も自身の包魂機をカバンに隠すことなく外で自由にさせていた。

 駅の近くまでくると、多少は人がいるものの、足早に帰路に着く人ばかりで、悠はそちらを気にすることなく駅前を通り過ぎた。

 最近狩りを休んでいたこともあり、狩人である悠が姿を見せないことで油断でもしたのか、多くの機械魔獣が夜道を闊歩しているのが気配でわかる。

 荒崎を引き連れ、機械魔獣が集まっている場所に向かうと、暗闇に身を潜め、悠はq2に装備を展開させる。

 荒崎もj9を自身の傍に呼び寄せ準備は万端のようだ。

 集まっている機械魔獣は5~6体、悠は荒崎達に上空から奇襲をするように指示を出すとq2の造り出した刀を抜刀する。

 そうして、機械魔獣の真上からj9の弾丸が降り注いだ。

 悠はその弾丸の雨の中に身を躍らせると、機械魔獣の核を砕き息根を確実に止めていく。

 機械魔獣に埋め込まれている核は、頭部か胴体の中心どちらかにある。

 核がどちらにあるかは実際に砕かないことには分からない。そのため、悠は機械魔獣の胴を切り裂いた後に脳天を貫く事で機械魔獣を始末していった。

 ものの数分で機械魔獣を鎮静化させると、売れそうなパーツをカバンに詰めて、次の場所に移動する。

 そんなことを何ヶ所か繰り返すと、周囲にいた機械魔獣を全て破壊することができた。

 最後の場所でパーツを拾いながら空を見ると、だいぶ深い時間になっていたようで、真っ黒な闇に光る点が見える。

 さっさと引き上げようと、カバンを肩にかけ荒崎に声をかけた。

「今日はもう終わりですかね?」

「そうだな。指揮体の痕跡でも見つけられればよかったんだが、そう上手くはいかないか…」

『くよくよしててもしょーがねぇだろ!次になんかあることを期待しようぜ!』

『鳥頭の意見に同意するのは癪だが、次回は調査をメインに行動すべきだろう』

『お前!ホント、一言多いんだよなぁ!』

 悠は喧嘩をはじめた機械二機を呆れたようにみる。この二機は水と油のようなものなのだろうと自身に無理やり納得させると、この後のことを話すため荒崎の方を向いた。

「俺としては、1回家に帰って仮眠を取ってから神樹の所に向かいたいんだけど、それでいいか?」

「分かりました!あ、でも明日の日中は予定があるので神樹さんのとこには行けないんですけど、いいですか?」

「ああ、分かった」

 悠は荒崎の予定について少し気になったが、特に聞くことなく家に戻ることになった。

 カバンを背負いながらプラプラと夜道を歩いていると、悠は荒崎がやけに静かなことに違和感を持ったが、久しぶりの戦闘で疲れたのだろうと声をかけずに無言のまま歩き続け家に着いた。

 家に入ると、荒崎は明日の準備をすると言って自室に戻っていった。

 悠もさっさと寝ようと、風呂に入り汚れを落としたあとは、q2を布で軽く拭く。

 q2の汚れがあらかた落ちたことを確認すると、その後はすぐに布団に潜り込み眠りについた。

 

 






評価、感想よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ