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神のいない世界  作者: ウニ
26/64

情報

 








 斑目と行った取引のため、悠は指揮体についての情報を神樹の元へ聞きに行くことにした。

 悠は後ろに着いてきている荒崎をちらりと見ると大きなため息をつく。

(なんだかよく分からないうちに荒崎のペースに乗せられている気がする…)

  悠はもう一度大きなため息をつくと、少しだけ歩みを早めた。



 *



 神樹の工房につくと、悠は迷わずドアを開き中に入る。

「指揮体の情報を渡せ」

「開口一番それか?まあ、いいけどさ」

 荒崎は神樹の元に向かった悠の後に続いて、部屋の中に入る。

 神樹は突然訪ねてきた悠に対して驚いた様子は見せたものの特に気にすることなく、悠と荒崎の2人を座るように椅子にうながした。

「それで?今回はどんな面倒事を抱え込んだんだ?」

「…国のやつと取引しただけだ」

「あんたが?!国の人間と取引!?気でも狂ったか?それとも熱でもあるのか?」

 神樹が本気で心配そうな顔をしながら悠の額に手を当てようとしたが、悠はそれをうざったそうに手ではらい落とすと同じ質問を繰り返す。

「指揮体の情報、知ってるのか?」

「知らなくはないけどタダで教えるのはねぇ…」

 はらい落とされた手をヒラヒラと振りながら神樹は椅子に座り直す。

「指揮体を倒すことがどうして取引になるんだ?なんか目的があるんだろ?」

「…お前にも協力してもらいたい」

「協力するかしないかは内容によるけどな」

「国の人間を失墜させることができるかもしれない」

「オーケー、のった。指揮体の情報を教えてやるよ」

 悠のその言葉に神樹は目を見開くと、手のひらを返すように、あっさりと情報を悠に差し出した。

「ずいぶんあっさり教えてくれるんですね…」

 荒崎が不思議そうに神樹に問いかける。

「まあ、私も国の人間大嫌いだからなぁ。あいつらが不幸になるなら協力するしかなくない?」

 神樹はニコリと笑いながら荒崎に返事を返すと、いそいそと自身の作業台と向かい合った。

「神無さんもですけどなんでそんなに国の人間のことが嫌いなんですか?」

 悠は荒崎のその質問に、遠い目をすると当たり障りのない返答を探した。

「…まあ、色々あるんだよ」



 *



 悠は荒崎と神樹の工房を出ると、体勢を整えるため一度家に戻ることにした。

 その際も荒崎は悠にくっついてきたため、悠は荒崎に何かを言うことを諦めた。

「そういえば、神無さん学校で何言われたんですか?」

「ああ…、覚えてたのか」

「忘れませんよ!神無さんのことは全部覚えてます!」

 悠は嫌そうな顔をしながら荒崎を見るとため息をついた。

「…最初のふてぶてしいお前はどこにいったんだよ」

「人は変わるものなんですよ!…神無さん、話してもらいますからね」

「大したことじゃない」

「神無さんにとってはそうでも俺にとってはそうじゃないんで!」

「…家に着いてから話す」

 悠は面倒になったと思いながら、重くなった足を前へ進めた。



 *



「さっそく話してもらいますよ、神無さん」

 悠の家に着くなり、荒崎は床に腰を落ち着けた悠の前に立ち塞がる。

 荒崎は、絶対に逃がさないとでも言うように腕を組み部屋の中にj9を放った。

『おう!久しぶりだなお前!』

「最後に会ってからそんなに時間たってないだろ」

『それもそうだな、1週間ぐらいか?』

 悠がj9と世間話をしていたら、荒崎はしびれを切らしたのか、机に音を立てながら手を乗せる。

「神無さん!俺は真剣なんですよ!?j9も神無さんにのせられるんじゃねぇ!」

『おいおい、落ち着けよマスター。少し話をしてただけじゃねーかよ』

「話すから落ち着け。一旦そこに座れ」

 悠が自身の前にある机を指さすと、荒崎はしぶしぶといった様子で悠の目の前になる場所で腰を下ろし、じっと悠の顔をみる。

「…そんなに大したことじゃない」

「それは俺が判断します」

「…髪染めろって言われただけだ」

「は…?」

 悠はフードを外すと自身の髪に触れる。

「見りゃわかるだろ。俺の髪色おかしいから来週までに染め直して来いって言われたんだよ」

 大したことじゃないだろうと、悠が荒崎を見ると荒崎は下を向いて俯き、何やらブツブツと呟いている。

「おい、何言って…」

「神無さん!髪染めないでください!お願いします!!」

「あ、ああ…わかった。てか、染める気ないし…」

 荒崎がものすごい剣幕で悠の方へ身を乗り出しながら懇願する。

 悠はそもそも教師の言うことを聞くつもりもなかったため頷いたが、来週学校に行ったときに何か言われるのだけは面倒に思っていた。

 それを察したのかは分からないが荒崎が妙に張り切りながらスマホを操作し始める。

「神無さん、来週までに俺が何とかするんで!神無さんはドンと構えておいてください!」

「いや、お前…本当にどうしたんだよ」

 悠は一人困惑しながらイキイキとしている荒崎のことを、q2を腕に抱えながら見ていた。

『お前も苦労してるんだなぁ!パーツの色1つでここまで面倒なことになるなんてなぁ』

『貴殿は相も変わらず能天気で羨ましい限りだ』

『あぁん?やんのかガラクタ!』

『暴力に訴えることしか出来ない鳥頭は言語機能を消去した方が良いのでは』

『お前ほんと壊す。主人がいなきゃ何もできねぇ鉄塊がよぉ!』

『主人すらまともではない貴殿は哀れだな』

「うるさい、静かにしろ」

 悠の一言で2機はピタリと静かになると、それ以降部屋には荒崎がスマホを操作する音だけが響いた。









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