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勇者の守護者〜誰かのために出来る事〜  作者: Dr.醤油煎餅
第四章 召喚勇者と見守る守護者
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60話:治療と進路

 ジン達はアイゼルとの話を終えて、城と王都から出て行くとジンは東京へ招待する。移動には転移を利用した。


「此処は?」

「トウキョウって場所。俺の経営する商会の本拠地だな。一応言っておくけど、本物の方とは何の関係もないからな」

「商会の名前は、ニホン商会ですかね?」

「おぉ~、よく分かったね」

「いや、何となくですよ」


 トウキョウへの入場門をくぐる。祈達の身分証はジンのを見せる事で黙殺させた。一番先に目指すのは研究区画のメリアの研究所。


「はい、ここは怪しい研究所です」

「見たまんま」

「普通の研究所ではないのは確か」

「お、おお~」

「何しに来たんです?」

「今回は桜川さんの義手義足をどうにかしようかなと。その筋の職人をこちらに用意しました。というか、何時もここに引き籠ってるんだけどね」


 という訳で、全員が研究所内に入っていく。研究所の主の部屋に入っていくと、そこには爆乳を引っ提げた黒髪の美人が佇んでいた。


「おぉう」

「おっきぃ」

「こら」


 千治姉妹の呟きを望が注意する。まぁ、注目してしまうのは無理はない。振り向いただけで慣性で揺れるのだから。


「やぁ、貴方がこっちに来るなんて珍しいじゃない。不手際と研究費に関しては誤魔化しもなかったはずだけど?」

「あるみたいな言い方はよせ。今日はこの子を見てもらいたくてな」

「………にしても、髪色が随分変わったね。目の色も」

「勇者が召喚されたからな、その変化だよ」

「成程ね。で、その子は、………そっちに寝かせて」

「はいはい」


 ジンは寝台の上に優夢を寝かせると義手と義足を外すしてインベントリに収納する。


「ハイハイ、で、この子は左の眼球と左手、両足、内臓の欠損、外傷に関しては魔法で強引に防いだだけか。察するに転移の事故で無くなった感じか」

「当たり。どう見る?」

「三十分頂戴、あと、ナタリアを呼んできて」

「あいよ」


 ジンは扉から一声かけるとダクトからエルフの女性が出てきた。忍者のようである。メリアは優夢の服に手をかけようとすると、一旦手を止める。


「見たいの?」

「すまん、出て行く」


 ジンが出て行くと特にやる事もない祈達もそれに続く。


*  *  *


 ジン達は出て行ったが差してやる事がある訳でもない。しかし、色々疲れる事も多かったのかジンの後ろから空腹を訴える可愛い音が聞こえる。


「お腹が減ってますし、少しレストランにでも行きますか」

「ご相伴に預かります」

「「ありがとうございます」」


 ジンは美人親子を連れて、行きつけの食事処に向かう。そこは恰幅の良い中年夫婦が経営していて質が良いのもあるが量が多いのが魅力的だ。


「お好きなの……字は読めるの?」

「……一応、読めるね」

「文字の上に翻訳文が書かれてる感じ。変な感じ」

「まぁ、好きなの頼んで良いよ。お代は気にしないで」

「ありがとうございます」


 ジンは猪ステーキと大盛りのライスを頼み、千治親子も同じ様な肉料理や炒め物を頼む。


「ハフハフ、んっ、んぐぅ、美味しい」

「うんっ、凄いボリュームだね」

「美味しい」


 双子と言えども反応はだいぶ違うようだ。祈の方が反応が大きいようだ。反対に願は大人しそうだ。

 たわいもない話をしつつ食事を勧めて時間は進んでいく。


*  *  *


 ジン達が出て行ったあと、優夢の治療は始まった。メリアが優夢の傷を調べて初めて分かった事は以下の通り。


・切れているというよりは千切れた先は何処か別に消えている様だった。

・傷口からは微細だが魔力を感じられる。

・漏れた魔力は何処かとつながっているようで辿っていけば行き先が分かりそうだという事。

・内臓に関してはジンの従魔であるヌルが内臓の代替品として機能しているようである。

・義体に関してはメリアの現技術でも日常だろうが戦闘だろうが使いこなせられる物に換装可能。使いこなせるかは本人の努力次第。


「空間魔法で事故ったポイね。運は、良かったかな」

「そうなんですか?」

「本当なら、頭から一直線に真っ二つだったかもしれないのにこれで済んでるんだから良い方だよ」


 優夢の運の良さをメリアは褒める。生きてること自体奇跡みたいなものだ。


「さてさて、こんな武骨な義手は女の子には似合わないからね。私が良い奴と交換してあげよう」


 メリアはそう言って自分の棚からジン達の趣味のロボット造りの延長線上の玩具とは比べ物にならないほどいい奴だ。

 十数分、調整を行い、優夢の体に合うように調整する。ついでに優夢の身体探知用の探知機レーダーを作った。


「これで良い筈だよ。どう?」

「………良い感じです」


 優夢は義体の動作を確認すると、問題はなくむしろジンが付けた奴よりも性能は良い物だ。


「じゃあ、それあげるよ」

「良いんですか?」

「上からもあげてくれって言われてるしね問題ないよ」

「じゃあ、有難くいただきます」


 そこから軽食をお腹の中に納めつつジン達が帰ってくるのを待つ。


*  *  *


 ジン達が帰ってくると、研究所の別室に移動させられてそこで話し合いを始める。


「これから先の予定ですが、皆さんには学校に入ってもらおうと思います」

「…強制ですか?」

「そんな事ありませんよ。断っても職業斡旋くらいは出来ますから」

「でしたら学校の方でお願いしたいです」


 ジンはそう言われると学校について簡単な説明をして俊哉と同時に用意させた借家に四人を住まわせる。

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