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勇者の守護者〜誰かのために出来る事〜  作者: Dr.醤油煎餅
第一章 成り上がりの守護者
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11話:出発

 浴場は開店直後から大盛況だ。労働者に冒険者が揃って入浴してくる。貴族が、貸し切りにしようと騒いだことがあったが個室のそれなりの贅沢な風呂にする事でこれを回避。何件か自宅に作ってくれという依頼も受けた。

 そんなこんなで大儲けして二年後、ジンは十歳になり、今はもうデカい商会の商会長になった。取り扱う品もサービスも一気に増えた。まぁ、日本の知識から流してはいるが。

 それなりに忙しい日常を送っていて、今は王国中に販路を広げているがこれから先は世界中にこの商会を広めていくつもりだ。


「という訳で、少し旅に出たい」

「………そうだな。目的は?」


 今は爺さんと話している。ジンも爺さんも秘書が着いたが、二人で話す事も多い。


「大規模な拠点となる地の確保」

「そうなると限られてくるな。それに国の介入も防げるところだと、………禁足地に入るつもりか?」

「そう」

「…………勝算はあるのか?」

「何回か出張に行っていくらか勝算は付けられた。道中人材の確保に動くつもりだ」

「なら、早めにしてくれよ。そろそろ俺の寿命も尽きそうだ」

「何時も言ってんじゃん」


 ジンは笑って爺さんの戯言を流した。


「で、旅にはアスタルテを連れていく」

「んー、正直惜しいけど。大規模な拠点が構えられる、行かしてもいいな」

「取れる保証はないぞ」

「そこら辺は信頼している」

「そういうなら、頑張るさ。で、俺達がいない間は大丈夫か?」

「実際、やってみなくちゃ分からんが、このまま維持継続させていくだけなら問題はない」

「じゃあ、満足させられる様に頑張る」


 ジンは鼻を鳴らして気合を入れる。すると、上から、大声が響いてきた。


“ふざけるな! この俺を誰だと思ってるんだ!”


 子供の声で随分と大声を出している。


「俺が行く。店員は下がらせておけ」

「承知した」


*  *  *


「だから、商品をもっと寄こせと言っているんだ!」

「申し訳ございません。その商品は一日に売り出せる数は決まっていまして、お一人様の購入数に制限をかけているんです」

「そんなものは貴様らの都合だろう! 俺はゼスト侯爵家の物だぞ! やれと言っているんだからやるべきだろ!」


 理不尽なクレームをジンと同じ位の少年が喋っている。あれが騒ぎの元凶だろう。近くの籠に商品が入っているアレは人気だから一人当たりの購入数を制限している奴だと気付いた。


「お客様、どうされましたか?」


 ジンは自分の姿を偽ってクレーム少年の前に姿を現す。幻術、アスタルテの固有スキルの能力だ。厳つい大男の姿で威圧のスキルも全力で使用している。モデルはヤクザだ。


「お、お前は誰だ?」

「この店の店長です。君、下がっていなさい」

「は、はい」


 店員は男の姿に見覚えはなかったがこれ幸いとそこから離れた。ジンの能力の一端を知っているのも大きいだろう。


「て、店長が相手なら話は早い、この商品をもっと持ってきてもらおうか!」

「その商品は購入数に制限をかけております。どのお客様が空いてであろうと、そのルールを破ることは致しません」

「うるさい! お前らは平民だろう! なら、俺達のいう事を聞いてりゃいいんだ!」

「貴方の召使で平民ならばいう事を聞く必要はあるでしょうが、我々は違いますので聞く必要はありません」

「良いから、黙って品をよこせ!」

「それ以上対象の商品を徴収しようというのであれば、こちらも実力行使でお相手致しますが?」


 迫力のある態度で実力でジンは叩き出そうと構える。それにビビった少年は少し下がって口汚くジンを罵った。


「お、俺に手を出すなら、無礼打ちにしてやるぞ!」

「それが一番わかりやすいかもですね。分かりました、お相手致しましょう」


 それは逆効果でさらに乗り気になるジン。


「さぁ、加減を間違えたら死にます。祈りなさい」


 こぶしを振り上げるジン(作り出した幻影)。それにビビった少年は商品を持って全力で離れて財布を会計に渡してそのまま店から出て行った。

 ジンは幻術を解く。そして元の少年の姿に戻った。そこに爺さんが声を掛けてきた。


「あいつ、ゼスト侯爵って言ってたな」

「心配は要らん。余程の馬鹿でもなければこの状況で子供の味方をする貴族はいない。こんな事を問題にするには貴族にとっては恥だからな」

「そんなものか」

「ああ、それと出発の準備は?」

「要人への挨拶回りかな」

「こっちも色々準備しておく、吉報を待つぞ」


 ジンはそこから数日ヘレン達への挨拶回りを済ませて、同時進行で旅の準備を済ませて。王都から、隣国へと旅立って言った。

2020年2月18日:タイトル変更しました。

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