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爆縮と体温の機知(5)

血祭り

踊ろ、おどろおどろしいと

願いなど洗い流した

後は、花火を見ながら

泡を飲み干す

干からびた身体には

丁度良いマッサージさ

酔狂なんて目じゃない

一番に飛び込んだ奴が

勝ちに近づく


田に張った水に

映り込んだ鉄塔は

足元を風がボカして

蜃気楼に変わる

憂鬱なんて物は

あちら側の世界に

行くか、行かぬか

決められぬ

命の迷いが作り出す

面白くない蜃気楼だ


大輪の花によじ登って

花弁をむしり散らす

愉快な人間の狭間に

獣が住んでいるなら

細胞の中にある遺伝子にも

獣が居るのさ

崇高な理念を作りながら

胸の内で飼う獣は

餌があれば喰らいつく

皮膚を挟んで

天国と地獄

笑いながら

食い破ればいい


足跡が増える

雨後に残りながら

その形は変容し

何処かに吸い取られながら

内側の寿命を燃やしている

穏やかに暮らすことが

桃源郷なんて

そんな面白くない話は

要らないのだ

揺れ動く舞台で

太鼓を打ち鳴らし

笛の音色に恋して

使い勝手の良い優しさを

金の代わりにして

振り撒くのさ


一升の酒瓶を

飲み干しながら

溺れる物に

素直に溺れて

猫じゃらし

突然、倒れて

死んでしまえば

生まれてから

それまでが桃源郷さ

縮こまってちゃ踊れない

エンジン音もプラスして

出し惜しみなく

奥歯も擦り減らし

明日から明日へと

繰り返す祭り

自分で自分に向けた

血祭りなのさ





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