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両面同伴のシエスタ  作者: 電波式廃墟少年
4/13

EP1.3  Discuss in a sandwich/そろそろお仕事の時間です。

そうだ。これが私たちだ。


私たちは、やるときはやっちゃうのです。

テラスに戻ると


そういえば、私たちのサンドイッチ屋について詳しく説明をしていなかったと思う。


私たち4人は「シエスタ」という名前でサンドイッチ屋を開いている。シェルハラの街を転々としながらサンドイッチを売り、自分たちのやりたいことをやる。

勿論街を転々としているものの拠点としている場所もある。

ダイオライトという農業が盛んな街だ。サーシャの生まれ育った故郷でもあるここで、私たち4人は偶然にも出会うことになった。


一人は帰郷ついでに小麦粉を買うため。

一人は街に潜んでいる賊を追い払うよう依頼されたため。

一人はサンドイッチに興味がわいたため。

そして私はその3人に行き倒れた状態で発見されたため。


サンドイッチの材料は大体市場などで仕入れることもあるが、小麦粉だけはダイオライト産にこだわっているらしく、おとなしいサーシャにしては強気な拘りでもある。やはり、故郷のものは好きなのだろう。


私もそうだったのだろうか。


シエスタに戻ると、すでにヘイズとティアラが待っていた。そこには夕食なのだろうか白身魚のフライとコーンのスープとパンが置いてあった。ここ最近よく食べるが安心して食べられるものだと思っている。そう思ってしまうのは昔の一件もあるのだろう。


私とサーシャが席に着くと、サーシャが話を仕切りだした。後は彼女に任せよう。そう思いスープを一口飲むことにした。


っ。


「・・・熱い。」

「出来立てだから当然じゃろ・・・。」



**{     }**


「それでは。皆さんで調査報告をしましょう!」

「おー!」

「それにしても不思議な話じゃのう。こんな普通の街にそんなものがおるとは。」

「どこにでもいるだろう。むしろ、裏というのは見えないのが普通だ。」

「おぬし、スープひとつで機嫌悪くしすぎじゃろ。ほれ、パン食うか?」

「・・・。」


アールさんが不機嫌そうに答えてましたが、多分舌が焼けちゃっただけだと思います。構わず進行していきます。

「今回はコオツのどこかにいるバックヤードという組織を見つけ出し、ローレンさんの講演会を安全に進行できるようお手伝いするお仕事が入りました。そこで、皆さんの聞き込み結果を聞きたいと思います。」


「それじゃ、俺から。」

ヘイズさんが先に手を挙げたので指名します。

「この街なんすけど、どうやらバックヤードの倉庫があるらしいんすよ。」

「ふむ。となると、この街は拠点の一つとして利用されているだろうな。」

「そうなんすよ。それで、場所が東の通りにある商会みたいで・・・。」

「商会が?一体どういうわけなんじゃ。」

「これは俺の推測なんすけど、この街の商人ってもしかしなくてもバックヤードを庇っているんじゃないかって。」

「ほう。それで根拠は?」

「実は聞き込みした人の中に一人、バックヤードを付けている奴がいたみたいで。話だと、この街自体がバックヤードを容認しているかもしれないって。それに、ギルドにはバックヤード関連の依頼だけが意図的に廃棄されているみたいなんすよ。」


そういってヘイズさんがテーブルに紙を数枚並べました。

「これ・・・ギルドへの請願書ですよね?」

「それもバックヤード関連のじゃ。ふむふむ。依頼人も大体の人が商人かキャラバンじゃの。」

「この街にあるギルド全部見て回った結果、バックヤードに関する依頼だけが破棄されてたんすよ。普通ならありえない話っすよ。何せ、シェルハラではこういった裏取引は原則禁止で、商売活動をするには街に申請書を提出して、ギルドカードを見せた状態でやらないといけないはずっすよ。」


確かにそうです。私たちもこのサンドイッチ屋を始めるために、4人でギルドカードに商人許可の印をもらっているんです。それがないと国の法律で罰せられるのです。


「報告は以上っすね。」

「ありがとうございます。」

「次はわしじゃ。」


そういってティアラちゃんは一冊の本を取り出しました。

「実はの。その"ばっくやーど"とかいう奴らの隠れ家に忍び込んだのじゃ。」

「いきなり危なっかしいことするっすね・・・!」

「その時に見つけた日誌じゃ。この先のスケジュールがいっぱいのっておるぞ。」


そこには明日行われる講演会の襲撃計画が書かれた紙が挟まっていました。他にも参加する人はいそうです。

時間は講演会の最中なので、街の人も巻き込まれるのは間違いないです。


「その隠れ家には誰がいた。」

「誰もおらんかったの。どこかに行ってしまったようじゃ。」

「となると・・・そろそろか。」

「なんじゃ。何かあるのか?」


ここでアールさんが席を立ちました。銀色の髪が日中とは違いキラキラ光って見えます。

「ああ。そうだな。この後、その商会でバックヤードの集会でもあるんじゃないか?」

「なんじゃと!それを早くゆわぬか!いつからじゃ!」

「夕方の時点で2時間後・・・恐らくもう始まりそうだな。」

「ならちょうどいいっすね!今から一発派手にやりますか!」

「まぁまて。ある程度人が集まってからでもいい。」


席を立って、アールさんが背を向けながら話し始めました。

「そもそも、この街自体おかしいと思わないか?何故バックヤードなどという爆弾を抱えたままこの街は存在している?そして、何故ゼノヴィア・ローレン=ツァーリは脅迫状を突き付けられたのにもかかわらずそういった発言が街中に知れ渡っていない?なぜ商人はバックヤードについて知っているのにもかかわらず危険視しない?」

「それは・・・」


次の瞬間、アールさんがこちらを振り向くと右手を軽くひねり小声で

「展開。形成。」


「隊長?」


「照射。」



バシュン            ドサッ

「なんじゃ今の音!」

「その答えはただ一つ。この街は、バックヤードの街だからだ。再帰。」


バシュン!バシュン!

「てか外で何してんすか!」

ヘイズさんとティアラちゃんが外を見に行くと、そこには5人の男性が倒れていました。目以外を布で隠し、手元にはナイフが握られていました。ナイフの刃はほとんど折れてしまっていますが。


それよりも、その男性の周りだけ冬だったかのように寒く、地面が凍り付いていました。


「もしかしなくても、私たちはこの街に入った時点でターゲットになっていたはずだ。確か、入場審査ではギルドカードを提出していたはずだ。」

「なるほど。いい商品が入荷した。ってことっすね。」

「それはひどい話じゃのう。わしらはそんなに安くはないぞ。」


外には青い結晶体が2つ浮かんでいました。たしか、射撃音は3回だけでしたがそれで5人も倒してしまうのは流石アールさんです。

アールさんの結晶体はそれぞれに役割を持たせることで、攻撃から情報伝達、はては移動までできてしまう便利な"魔法"なんです。

話によると、もともとはユニオンフィールドの北に位置する魔法都市グランパレスに住んでいたことがあるらしいんです。グランパレスにはその土地にある魔力や体内にある魔力を用いて魔法を使うことができる魔術師(ウィザード)がいるんです。魔術師(ウィザード)は旧世代(ユニオンフィールドという国ができる前のことです。)から続く文化の一つでもあり、アールさんもまた、氷属性の魔術師なのです。


「というわけでだ。君たちに一つ質問しよう。これは宣戦布告か?」

「いや、くたばってる相手に聞いても何も返ってこないっすよ・・・。」


バシュン!


「ぐあっ!」

「なら起きてくれ。」

「起こし方ー!」


容赦ないのはアールさんの悪いところです・・・。


「改めて質問しよう。君たちの行為は宣戦布告ととらえてもよいか。」

「俺たちに・・・歯向かうっていうのか?」

「面白そうじゃあないか。こっちはただサンドイッチを売りに来ただけだというのにね。」

「「「(サンドイッチ売りに来た人はこんなことしない・・・)」」」


「お前たちに言っておくがな・・・。この街を敵に回したくねぇなら早いところ下がった方がいいぜ。」

「なるほど。参考にさせてもらうよ。」


バシュン!


そう言って襲ってきた人を撃ってしまいました。この人は助かるのでしょうか・・・。


「次起きたら殺す。」

「なんで!?」


**{     }**


とりあえず、今回倒してしまった人をヘイズさんとティアラちゃんでどこかへ送って行ってしまいました。

「さて、これでやることは決まったようだが。」

「そうっすね。」

「うむ。戦争じゃ!」

「あはは・・・戦争って。」


何はともあれ、この様子ですと街の人の中にはバックヤードの味方がいることは確実です。それも結構な数の人が。こういうときこそ、私たちの本業の出番です。

「このまま放っておくとローレンさんが大変な目にあってしまいます!」

「うむ。そやつの為にもわしらシエスタの出番じゃ!」


そういって壁に掛けてある革製のガントレットを左腕に装備。銀色の金属でおおわれた手の甲側には小型のクロスボウがついており、そこにボルト・・・ではなく魔力瓶を装填して打ち出すことができるようになっています。使用する瓶によって属性や効果も異なります。


そうです。これが私の武器です。


最後にティアラさんがテラスタンクに防護術式(身体能力を強化したり、効果範囲を設置するタイプの魔法は術式と呼ばれます。)をかけたら準備完了です。(戸締りです。)



「お、久しぶりっすね。それも。」

実はここ数週間ほどはこのガントレットを使うことはありませんでした。大体の問題はアールさんとティアラちゃんで解決してもらっちゃってますからね。

「そうと決まれば行こうか。」

三人の前に移動してくるりと半回転。

「うむ。ではサーシャ。いつものを。」


軽く深呼吸して三人に向かって。

「シエスタ・・・夜の部開店です!」


はりきっていきましょう!


こんにちは。電波式廃墟少年です。


さて、次回はバトっちゃうかなと思ってます。コオツの街にひそむバックヤード。その正体は!


4人のビジュアルは現在制作中です。マジで。もう少しだけ待っててください。

本当に待っててください。お願いします。


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