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君にこの音が届くまで  作者: 神無月 タクト
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出会いは、いつも初恋のように

 僕が通っていた中学校は部活には強制的に所属させられるタイプの学校でその上部活の数が少ないという理不尽りふじん極まりない学校だった。

 入りたい部活も決まって無く、とりあえず友達が入る部活に入ろうかと考えていた頃、新入生歓迎会という三年間の主な行事の説明とそれぞれの部活動の紹介を兼ねた学校行事が行われた。部活の紹介では真面目に部活の練習内容やら目標を声高らかに宣言する人たちもいれば、クラスに一人はいそうなお調子者がみんなを笑わせようとネタに走る部活もいた。そして最後の紹介は吹奏楽部による演奏だった。

「吹奏楽部なんて女子のやる部活だろ〜」

 と友人が言っていたし僕も正直そう思っていた。あの音を聞くまでは……

 部活紹介も最後ということで、僕を含め新入生の集中力も切れてきたところだった。

 吹奏楽の部員達が体育館のステージの上に椅子と楽譜を置いて演奏の準備をしていると、隣の席から

「早く終わらないかなー面倒くせぇ〜」

 という若干苛立ちを含んだ声が聞こえてきた(面倒くさいってお前は何もしてないだろ)

 体育館のスピーカーから部長と思われる人が部活の内容や今後の意気込みのようなものを話している。

『_それでは全力で演奏するので聞いてください!』

 おそらく部長であろう女子部員がそう言ってマイクを置くのを合図に、奥から顧問の先生らしき人が指揮棒を持って出てきた。先生が指揮棒を構えると同時に部員の全員が楽器を一斉に構える。

 それからはまるで1つの芸術作品を見ているようだった(芸術作品と言っても、僕が見たことがあるのは小学校の頃の図画工作の教科書の中ぐらいだが…)自分でも信じられないぐらい吹奏楽部の音楽に聞き入っていた。演奏が終わる頃には僕はもうこの音楽のとりこになっていた。それはまるで恋のような感情だと思う(恋をしたことはないが…)

 それから仮入部の期間があったのだが僕は迷わず吹奏楽部へ向かい、その後不安とワクワクをいだきながら吹奏楽部に入部した。やりたい楽器を聞かれたが知識もあまりなく仮入部のときに体験した記憶をもとに自分でも吹けて、その上かっこいいと思った楽器を考えてふと思い浮かんだ名前を言った。

「サックスを吹きたいです!」


これが僕と吹奏楽の出会いの物語

   僕が音楽に恋をした どこにでもある出会いのはなし

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