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夢の心88
「だから君が夢の迷路の女性ならば、僕は桃の花の心で、そこに突破口はあるじゃないか」と私は言った。
私は言った。
「やはり君は夢の迷路の女性なのだな?」
妻が言った。
「私は私よ、一緒にしないで」
私はしげしげと妻を見つめ言った。
「君が夢の迷路の女性ならば、僕は桃の花の心であり、そこに突破口はあるじゃないか」
妻が言った。
「意味が分からないわ?」
私は言った。
「だから君があの女性ならば、僕にとっては黒い闇の快楽になれる足掛かりではないか」
妻が言った。
「成る程、でも私は残念ながらその女性ではないのよ」
私は言った。
「そんなのは試してみなければ分からないではないか?」
妻が答えた。
「試しようがないじゃない」




