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夢の心86
「ごめんなさい、その言葉は信じられないわ」と妻は言った。
妻が言った。
「そんな調子では生活して行くのは無理ね、もう一度入院する?」
私は尋ねた。
「入院するとは精神科に入院するのか?」
妻が言った。
「それはそうよ。その様子では働くのは無理だし、子供達の面倒を見るのも無理でしょう、それに┅」
私は尋ねた。
「それに、何だ?」
妻が言った。
「それに家にいられて又自殺をされても、私としては願い下げだし」
私は唇を結んでから、おもむろに言った。
「ここが夢の迷路だと判断するまでは僕は自殺なんかするつもりはないぞ」
妻が私を凝視してから言った。
「ごめんなさい、その言葉は信じられないわ」




