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夢の心80
「貴方は愛よりも快楽を選ぶの?」と妻が言った。
妻が涙を拭い言った。
「貴方は愛より快楽を選ぶの?」
私は妻を睨み付け言った。
「愛ばかり押し付ける、君はやはり夢の迷路に出て来た女性ではないか」
妻が言った。
「私は夢の住人などではありません。馬鹿にしないで下さい」
私は悪意を込めて言った。
「黒い闇の声の振りをした女性ならば、僕は君を馬鹿にしたりはしないさ」
妻がため息をつき尋ねて来た。
「何故?」
私は答えた。
「僕を騙す事が出来る敵なのだから馬鹿にはしないさ」




