78/437
夢の心78
「どちらでもないわ。私は貴方の妻よ」と夢は言った。
妻が言った。
「貴方は昏睡状態の時に見た夢が連続してしまっているのよ、だから生きている実感が湧かないのよ。可愛そうに」
私はポーカーフェイスのままに答えた。
「同情はいらない。それよりも君は夢の迷路の女性なのか、黒い闇の声なのか、どちらなのだ?」
妻が言った。
「どちらでもないわ。私は貴方の妻よ」
私は妻をじっと凝視してから言った。
「押し付けがましい愛を押し付ける君はあの女性の振りをした黒い闇の声か、さもなければ、黒い闇の声の振りをした女性かもしれないな」




