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夢の迷路  作者: 岩本翔
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夢の心77

「夢の迷路に生死の概念はない。夢の迷路は夢の迷路なのだから」と私は妻に言った。

妻が言った。

「こんなリアルな現実が貴方は死後の世界だと言うの?」

私は答えた。

「いや、僕は夢の迷路だと言ったのだ」

妻が怪訝な顔をして言った。

「だから、貴方はこのリアルな現実が死後の世界だと言いたいのでしょう?」

私は無感動な口調で答えた。

「いや、現実と夢の狭間が夢の迷路だと僕は言っているのだ」

妻が悲しげに言った。

「でも貴方は肉体を持って、確かにこの現実に生きているじゃない。それは分かるでしょう?」

私は答えた。

「夢の迷路に生死の概念はない。夢の迷路は夢の迷路なのだから」

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