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夢の迷路  作者: 岩本翔
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夢の心76

「ここが地獄ならば貴方はどうするの、又死ぬの?」と妻が言った。

妻が嘆息してから言った。

「ここが地獄ならば貴方はどうするの、又死ぬの?」

私は見慣れないマンションの中に目配せしながら答えた。

「いや、死んでもこの迷路からは出れそうにないから、死にはしない」

妻が再度嘆息してから言った。

「ならばどうするの?」

私はソファーに腰掛け言った。

「この迷路を脱出する突破口を目指す」

妻がソファーに座り呆れ顔をしてから言った。

「だから、それは死ぬ事を言っているのでしょう?」

私は言った。

「いや、既に僕は死んでいるかもしれないし、改めて死ぬ必要はないじゃないか┅」

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