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夢の心66
「死ぬことこそが愛ではないか。死ねば厳しいだけの現実を無に帰し、楽になれるからな」と黒い闇の声が言った。
黒い闇の声が言った。
「死こそが愛そのものではないか。厳しく苦しいだけの現実を無に帰し、楽にしてくれる愛ではないか」
女性が苦しみながらも抗い言った。
「いえ、生きることはかけがいのない、所作なのです、黒い闇と化しては人、を愛することは出来ません、か、ら」
黒い闇の声が言った。
「人を愛して裏切られたからこそ、こいつは孤独と不安に苛まれ自殺して果てたのだから、こいつは愛に見捨てられたのさ」
私は同意した。
「そうだ、僕は愛に見捨てられたからこそ、死ぬことを選択したのだ。だから僕に他人を愛することは出来ない。その結果が貴女を消し去ることなんだ」




