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夢の心64
「ここは快楽が永遠に続く約束の地なのさ」と黒い闇の声は言った。
私は力なく笑い言った。
「みなしごで、弱虫で他人を愛する事も出来ない精神病患者の僕には、この真っ暗闇の無がお似合いなのかもしれないな」
私の言葉を聞いて黒い闇の声が再度ほくそ笑み言った。
「そうだな、お前は俺と一体化して永遠の快楽を手にするのだから、早くその女の声を遠ざけろ」
私は息を吐き出し言った。
「分かった。でもこの快楽は本当に永遠なのだろうな?」
黒い闇の声が念を押した。
「全てが夢幻の厳しい現実とは違い、ここは快楽が永遠に続く約束の地なのさ」




