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夢の心57
「貴方の心次第です」と女性は言った。
私は言った。
「僕は桃の花の心だからこそ虐められたのか?」
女性が答えた。
「そうです、貴方は苦しみを知らない桃の花の心だからこそ、人の傷みが分からず、疎外され虐められたのです」
僕は闇を凝視しつつ尋ねた。
「ならば、生き返って現実に戻っても同じ事の繰返しではないか?」
ここぞとばかりに黒い闇の声が言った。
「そうだ、だから早くその快楽と一体化して楽になればいいのだ」
女性がその言葉を打ち消すように言った。
「でも貴方の桃の花の心は充分に苦しみ抜き、生き返っても虐められたりはしないのです。だからその闇から抜けて下さい」
私は尋ねた。
「どうやって抜け出せばいいのだ?」
女性が答えた。
「貴方の心次第です」




