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夢の心55
「どちらの正しいのだ?」と私は混乱しつつ尋ねた。
黒い闇の声が言った。
「楽になりたいのか、苦しみたいのか、お前はどちらなのだ?」
私は混乱しつつ尋ねた。
「この闇と同化する心地好さはずっと続くのかな?」
黒い闇の声が念を押した。
「続くに決まっているではないか、何度も言わせるな」
女性が反論した。
「嘘です。そんなの嘘に決まっています、無は無でしかありません!」
私は混乱するままに再度尋ねた。
「どちらが正しいのだ?」
黒い闇の声が言った。
「俺が正しいのだ。実際問題お前は今この上なく気持ちいいだろう、違うのか?」
私は認めた。
「気持ちいいけれど、迷っている」




