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夢の心52
「この人は心の奥底で生きたがっているのです、その証拠が私の存在なのです」と女性は言った。
女性が反論した。
「嘘です、全てでっち上げてす!」
黒い闇の声がうそぶいた。
「でっち上げと言うならば、その証拠を見せてみろ」
女性が言った。
「この真っ暗な闇が何よりの証拠ではありませんか?」
黒い闇の声がわざとらしく嘲笑い言った。
「そんなのは証拠にはならないぞ。と言うか、こいつは死にたがっているのだから、素直に死なせてやるのが人情だろう、違うのか?」
女性がひたすら反論を重ねる。
「いえ、この人は心の奥底で生きたがっているのです、その証拠が私の存在なのです」




