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夢の心51
「嘘ではないぞ」と黒い闇の声は女性の言葉を否定した。
私は言った。
「でも僕はみなしごだし、帰る家はないし、皆から馬鹿にされて虐められる位ならば、自分なんか捨ててもいいしな」
女性が強く主張した。
「貴方はみなしごなんかじゃありません。嘘です!」
私は力なく尋ねた。
「でも僕は施設に住んでいるのだろう?」
女性が言った。
「それも嘘です、この黒い闇が貴方を殺そうとしている嘘なのです!」
黒い闇の声が女性の言葉を否定した。
「嘘なんかではないぞ、お前は施設で疎外され虐められていたのだ。その証拠がお前の不安や孤独感じゃないか?」
私は自身の不安や孤独感を確かめ間を置き言った。
「確かに言う通りだと感じるよ」




