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夢の心50
「そんなのはまやかしです。貴方は貴方なのですから」と女性が強く言った。
私は快楽に埋没したい願望を何とか押さえつけてから尋ねた。
「この闇の中で自意識を失っても快楽は残るのですか?」
黒い闇の声が言った。
「残るさ。快楽は永遠なのだから」
私はその言葉に会心の笑みをもらし言った。
「快楽が永遠ならば、闇と同化するのも悪くないな」
女性が強く否定した。
「貴方は貴方でなくなるのですよ、それでもいいのですか?」
私は女性に向かって言った。
「快楽が続くならば、いいかな」
女性が反論した。
「そんなのはまやかしです。貴方は貴方なのですから」




