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夢の迷路  作者: 岩本翔
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夢の心49

「光りの色です」と女性は言った。

女性が否定する。

「いえ駄目です。真っ黒い死は死でしかありませんから」

黒い闇の声が嘲笑い反論した。

「死は全部真っ黒いものだろう。それ以外に死の色はあるのか?」

女性が答えた。

「苦しみの後に訪れる安息なる死は真っ黒い死ではありません」

黒い闇の声が尋ねた。

「だからその死は何色なのだ?」

女性が答えた。

「救いに満ちた色です」

「だから、その色は何色なのだ?」

女性が答えた。

「光りの色です」

黒い闇の声が再度嘲笑い尋ねた。

「だから、その色は何色なのだ?」

女性が落ち着いた口調で答えた。

「光りの色は光りの色です」

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