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夢の迷路  作者: 岩本翔
435/437

夢の心435

その刹那、私の脳裡に唐突に手のイメージが広がり、私は白い闇の快楽に食われ、自我崩壊して行った。

妻は沈黙し続けている。


この不気味な沈黙が、来るべき私の自我崩壊を意味しているのを私は拒絶する為に再度叫んだ。


「答えろ、腐れ外道!」


答えはない。代わりに白い闇が白黒ツートーンカラーの色合いで明滅し始めた。


当然私にはその明滅の意味が分からないので、私はその恐怖に再度喚いた。


「腐れ外道、答えろ!」


頑なに妻は答えようとしない。


そして白黒ツートーンカラーの色が私の目を突き、私はその痛みに断末魔の絶叫を上げた。


その刹那、私の脳裡に唐突に手のイメージが広がり、私は白い闇の快楽に食われ、自我崩壊して行った。

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