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夢の迷路  作者: 岩本翔
433/437

夢の心433

妻が不気味な沈黙をして、何も言わなくなった。

私は叫んだ。


「き、貴様はちーちゃんな、ど、いないと、言ったじゃない、か!」


妻がせせら笑い言った。


「あら、その矛盾不条理を理解しているのだからまだ大丈夫ね、でも┅」


私は力を振り絞り喚いた。


「でも、何だ!」


妻が苛立たしい間を置き言った。


「でも、そろそろ、限界かしら、あ、な、た?」


私は狂おしく喚いた。


「俺は死なない、ち、ちーちゃんを助けるまでは死なない、し、死んで堪るも、のか!」


妻が不気味に沈黙した。


私はその沈黙をはね除けるように喚いた。


「何か言え、腐れ外道!」


沈黙したまま妻が何も言わないので私は再度喚いた。


「何、か、い、い、え!」

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