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夢の心433
妻が不気味な沈黙をして、何も言わなくなった。
私は叫んだ。
「き、貴様はちーちゃんな、ど、いないと、言ったじゃない、か!」
妻がせせら笑い言った。
「あら、その矛盾不条理を理解しているのだからまだ大丈夫ね、でも┅」
私は力を振り絞り喚いた。
「でも、何だ!」
妻が苛立たしい間を置き言った。
「でも、そろそろ、限界かしら、あ、な、た?」
私は狂おしく喚いた。
「俺は死なない、ち、ちーちゃんを助けるまでは死なない、し、死んで堪るも、のか!」
妻が不気味に沈黙した。
私はその沈黙をはね除けるように喚いた。
「何か言え、腐れ外道!」
沈黙したまま妻が何も言わないので私は再度喚いた。
「何、か、い、い、え!」




