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夢の心426
「俺を弄び愉しいか!」と私は悶え苦しみながら怒鳴った。
私は悶え苦しみながら怒鳴った。
「殺せ、早く殺せ、腐れ外道!」
妻がせせら笑い答えた。
「貴方の心の反映たる私が、貴方の妻の幻覚ならば、私は貴方の言葉に従うけれども、表裏一体、私は夢の迷路の構成要素だから貴方の言葉にはし、た、が、わ、な、い、わ」
私は掴み掛かる勢いで怒鳴った。
「俺を弄び愉しいか、腐れ外道め!」
妻が嘲笑い言った。
「再度言うけれども、貴方を弄び苦しめているのは貴方自身なのよ、そんな理屈、分からない?」
私は狂おしく高笑いしてから言った。
「詭弁だ、貴様も俺をがんじがらめにしていると言ったではないか!」




