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夢の心422
「自分自身の拷問の連鎖にもっともっと苦しめばいいのよ、お馬鹿さん┅」と妻が冷淡に言った。
妻が言った。
「と言うか、貴方は死ぬか生きるかの最期の正念場、土壇場に来て己の心を凝視しているだけなのよ。だからちーちゃんの声が聞こえるのは貴方の生きる事への最期の未練なのよ┅」
私は叫んだ。
「未練も何も無い、俺はちーちゃんを助けられれば死んだっていい!」
妻がけたたましく笑い言った。
「本当に貴方は欺瞞的偽善者の誉れね。でも┅」
私は快楽に埋没して事切れそうになる自分にむち打つべく喚いた。
「何だ、腐れ外道め!」
妻が言った。
「これは言わば貴方自身の貴方自身に対する拷問の連鎖だから、自分自身苛め甲斐があるでしょう。違うかしら?」
私はかぶりを振って叫んだ。
「うるさい、ちーちゃんを出せ、出すのだ、腐れ外道め!」
妻が言った。
「もっともっと苦しめばいいのよ、お馬鹿さん┅」




