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夢の心42
「いいぞ、これで楽になれる」と黒い闇の声は言った。
私は喚いた。
「違う、違う、違う!」
黒い闇の声が言った。
「おい、段々声に元気がなくなって来たぞ、大丈夫なのか?」
その声に暗示を掛けられるように私は黙り込み絶句した。
それを見透かすように黒い闇の声が言った。
「我が思いはお前の思い、お前は己自身の思い通りに段々意識が遠ざかり、この闇と一体化して闇そのものとなるのだ?」
私は震える声を振り絞り言った。
「僕は、死なない、し、死なないぞ」
黒い闇の声が言った。
「いいぞ、これで楽になれる」




