夢の心416
妻の言葉に重ねてちーちゃんの「助けて┅」と言う声が重複して私の耳に届き、私はうろたえ驚愕した。
私達のやり取りの間隙を縫うようにちーちゃんが言った。
「パパ、助けて┅」
私は叫んだ。
「ちーちゃん、眠っちゃ駄目だ!」
私の叫び声を聞いて妻がうそぶき言った。
「又猿芝居、ほら私の次に言う言葉に耳を傾けてみてね?」
目を細め私は叫んだ。
「何をするのだ!」
妻が言った。
「貴方は猿芝居をしているのがわ、か、ら、ないの?」
妻の言った言葉と同時にちーちゃんの「助けて┅」と言う言葉が重複、重ねて聞こえ、私はうろたえ驚愕した。
「貴様何をした、これはどう言う事だ!」
妻が言った。
「今貴方が聞いた声は、貴方が白い闇になった証の声なのよ。つまり貴方は既に自我崩壊して白い闇の快楽になり、その悦楽遊戯としてちーちゃん助けたい猿芝居を演じているに過ぎないのよ」
私はうろたえつつ叫んだ。
「俺は白い闇の快楽などではけして無い、俺は俺であり、それ以外の何者でもない、失せろ!」
妻が物静かに言った。
「貴方が見ている白い闇を同時に黒い闇に変えるから見てらっしゃい?」
妻の言葉通り白い闇が同時に、重複して、黒い闇として私の目には見えたのだが、私はそれを認めず退け反論した。
「ちーちゃんがいない事を俺は絶対に認めない、認めて堪るものか、ちーちゃんを出せ!」
妻が事もなげに言った。
「全て永久の白い闇の快楽になった貴方の自己満足、一人芝居、一人遊戯、貴方一人の心の反映の所作なのよ┅」




