407/437
夢の心407
「貴方が逆らえば逆らう程に、貴方は自我崩壊して行くのよ」と妻が言った。
妻が言った。
「私は詭弁なんか弄していないわ。貴方が白い闇の快楽と一体化すれば自我崩壊は免れると言った筈よ」
私は逆らった。
「いや、貴様は言った。俺の意識が明晰な証拠だが、お前は確かにその言葉を言ったのだ！」
妻がせせら笑い答えた。
「夢の迷路は矛盾不条理に満ちた世界ならば矛盾するのは仕方ないじゃない」
私は叫んだ。
「それも詭弁ではないか、俺はちーちゃんを助けたい、それしか無いのだ！」
妻がせせら笑い反論した。
「だからこそ貴方にはちーちゃんを助けるのは絶対無理なのよ」
私は叫んだ。
「それはどういう意味だ！」
妻が言った。
「貴方が逆らえば逆らう程に、貴方は自我崩壊して行くのよ」
