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夢の心403
「貴方の叫び声は消えかかる蝋燭の火と同じなのよ。無駄な抵抗なのよ」と黒い闇の妻が嘲笑い言った。
妻が言った。
「貴方は死んでいるから無力なのよ。その証拠に、以前貴方はその足で夢の迷路をさ迷っていたけれども、今はさ迷う事すら出来ず、ただ叫んでいるだけじゃない。違うの?」
私は黒い闇の妻に向かって怒鳴った。
「うるさい、俺はは確かに身動き出来ないが、自我崩壊はしていないからこそ、ちーちゃんを父親として助けるのだ、邪魔するな!」
冷静沈着に妻が言った。
「邪魔はしていないわ。ただ貴方は間もなく快楽と一体化して自我崩壊する定めだから、観念したらと私は忠告しているのよ。分かるでしょう?」
私は再度怒鳴った。
「うるさい、俺は絶対に諦めない、ちーちゃんを助けて見せる!」
駄目を押すように妻が嘲笑い言った。
「貴方の叫び声は消えかかる蝋燭の火と同じなのよ。無駄な抵抗なのよ」




