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夢の心391
私は黒い闇の快楽に溺れて行く自分に喝を入れ、激しくかぶりを振りちーちゃんに向かって叫んだ。
私は続けた。
「苦境に立たされている我が子を助けたいと願う親心の何処が快楽なのだ?」
桃の花びらが消え失せた、漆黒の闇の中、黒い闇の声が言った。
「能書きはいらない。これこそがお前の望んだ永久の快楽の世界ではないか。それをお前は今実感しているのではないのか?」
私は突き上げるエクスタシーに陶然としながら、喜悦の笑みを洩らし、茫然自失、忘我の境地に達して行くのをちーちゃんの声が妨げた。
「パパ、眠いよ、パパ┅」
私は黒い闇の快楽に溺れて行く自分に喝を入れ、激しくかぶりを振り叫んだ。
「ちーちゃん眠っちゃ駄目だ!」




