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夢の心381
「あの子を助けたいと強く念じるしかあるまい」と私は自問自答を繰り返した。
「家族を棄てた罪の償いをしたいのか?」
私は再度涙を拭い答えた。
「違う、親としての当然の義務を果たしたいだけだ」
「しかし、あの光景は夢の迷路の光景ならば、単なる夢幻泡影の可能性もあるではないか、それでもお前は助けたいのか?」
私は明言した。
「あの助けを呼ぶ声は本物だ」
間を置きもう一人の私が言った。
「だがお前はこの夢の迷路の中では全く無力ではないか、どうやって助けるのだ?」
私は沈思黙考してから答えた。
「それを強く念じるしかあるまい」




