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夢の心380
桃の木の下、下の子を助けたいと言う思いにかられるが、私には為す術が無いので、涙を拭い自問自答を繰り返す。
私の心が言い知れぬ悲しみに満たされ、下の子を助けたいと言う願望がもたげ、私はひたすら涙する。
しかし私は夢の迷路に翻弄されるだけで、下の子を助けるその術を知らない。
咲き乱れる桃の木の下で私は途方に暮れながら、そぞろ自問自答を繰り返す。
「あの子の所に戻る方法は何か無いのか?」
「されるばかりで、する事が一切出来ないのだから、どうする事も出来まい。と言うか、お前は黒い闇の快楽になりたいのではないのか?」
「もうそんな事はどうでもいい。今はあの子を助けたい。その事で頭が一杯だ」
「どうしてそんな気持ちになってしまったのだ?」
私は溢れ出る涙を拭い答えた。
「自分の子供を助けてやりたいと言うのは、率直な親心だろう」
「だから心をなくしたお前が何故そうなったかを尋ねているのだ?」
「あの子の助けを呼ぶ声を聞いて、全てを思い出したのだ。全てをな」




