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夢の迷路  作者: 岩本翔
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夢の心38

「殺す必要はない、お前はやがて恐怖と不安と寂しさに自滅するからな」と黒い闇の声は言った。

混乱した心を顕にして私は震える声で尋ねた。

「僕はみなしごで、その寂しさと不安に耐えられず、何度も自殺を図ったのか?」

黒い闇の声が肯定した。

「その通りだ」

僕は涙を流したままに尋ねた。

「家族がいない僕は何処で誰と一緒に暮らしていたのだ?」

黒い闇の声が優しく囁くように言った。

「孤児院さ」

私は改まった口調で尋ねた。

「何故僕は自分の事を何も覚えていないのだ?」

黒い闇の声が静かな口調を崩さず答えた。

「それはお前が統合失調症のまま生死の境目をさ迷っているから、記憶が失せたのだろう」

私は嘆息してから尋ねた。

「何故貴様は僕を殺さないのだ?」

黒い闇の声がうそぶいた。

「殺す必要はない。お前はやがて恐怖と不安と寂しさに自然と自滅するからな」

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